和書読書とリディアのリンゴのフラン

寒いけど快晴!空も吹く風もまだ春と呼ぶには早過ぎる。でも、少しいいお天気が続くと、待ちきれないように小鳥たちが賑やかに歌い出すからかわいい。

今日から2月。今年ももう1ヶ月が過ぎちゃったよ。はやいっ。

先週末は体が重くてエンジンのかからなかったので、和書を一冊読んだ。小川洋子の「猫を抱いて象と泳ぐ」。たまたま大学の図書館にあったもの。日本を代表する文学作品はずらりと並んでいるものの、現代作家のものは数えるほどしか無い。なので、この一冊を見つけたときには、飛びついてしまった。初めて読む小川洋子さんの一冊。

英語の作品はちんたらちんたらと、いつまでたっても読み終わらないのだけど、日本語だと週末あれば十分。ぐわ~っと読んで、この作品の主人公「リトル・アリョーヒン」の世界にひたってしまった。数日たっても、ちょっと物悲しい。ふとした時に本で読んだ場面が浮かび上がってくる。本の感想文はとても苦手で下手なので避けますが、チェスをめぐる不思議な少年が主人公の物語。アマゾンで紹介されているあらすじは:

「大きくなること、それは悲劇である」──この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。

私はチェスのことはほとんど何も知らない。駒にそれぞれ特別な動き(?)があって、黒と白が対戦してキングを押さえたほうが勝ち、ということくらい。勝ち負けのあるゲームにすぎない、って。この物語を読みながら、チェスを心から愛する人たちが描くチェスの世界というものを、自分も思い描くことができたら素敵だろうなと思った。知らなかったのだけど、チェスの駒の動きを記録したものを「棋譜」っていうんだって。この言葉、とてもきれい。「棋(駒)」で綴られた「譜」。チェスをする人は、この棋譜をみるとチェス盤を挟んだ二人が織りなした世界が音楽のように蘇ってくるんだって。どんな世界なんだろうな。

リトル・アリョーヒンも少女ミイラも含めて、登場人物それぞれが個性的でひっそりと静かな存在感があって好きだった。口数は少ないけれど(言葉ではないもので)多くを「語る」人物像って日本の物語には多いのかな。あと、日本語だからできる言い回しとか抑揚は、日本語で読むから楽しめるなって思う。おばあさんや品のいい女性、おっとりとした優しい男性などの会話文って、日本語だと読んでいるうちに声が聞こえてくる。イメージができあがってくる。英語に書き換えちゃうと会話文だけ抜き出したら誰が話しているのかわからなくなることもあるもんね。

と。母国語での読書は娯楽だなぁ、としみじみと思った週末読書でした。

さて、一つ覚書きに。随分前に一度紹介したけれど、レシピを書いていなかったので。

リディアのリンゴのフラン

材料:

  • リンゴ 6個ほど
  • 卵 2個
  • 小麦粉 100g
  • 砂糖 100g
  • バター 100g
  • アマレット 100g
  • 牛乳 大さじ1
  • イースト 7g(小さじ2 1/4)

アマレット以外を全部混ぜ、バターを塗った容器にいれる。その上からアマレットをふりかける。200度(400F)で1時間。焼いている途中でアマレット(+糖分)があふれることがよくあるので、受け皿などを下に敷いておいたほうがいいでーす(Lesson Learned. 経験済み:溢れて焦げてすごい煙が出てきたー。)

とても簡単でがっつりと美味しい焼き菓子。フレンチのデリケートなフランとは違って、おばあちゃんの味!って感じ。リディア・バスティアニのイタリアンフランです。私は砂糖をきび砂糖や蜂蜜に置き換えた。今の時期色んな果物がないけど、りんごならある!ってときにお試しあれ~。美味しいよ。

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はじめての巻けてないロールケーキ

週末、戸棚の整理をしていてかぼちゃのピューレ(缶)を見つけた。カナダの感謝祭のパンプキンパイ用に買って余ったもの。「あ!あれを作ろー☆」と、先日チェックしていたカリフォルニアばあさんのブログの「かぼちゃのロールケーキ」のレシピを書きだした。とってもわかり易く説明されているレシピなので、私にもできそう〜って思ったのでした。

が。

ありゃ。

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ぺちゃんこになってしまった。。。

「ロール」してへんやんっ。

それがね、焼きあがったケーキをどっち向きに巻けばいいのかよくわかんなくって。短い方の辺を手前にして巻くべきだったんよね、きっと。「よくわかんな〜〜〜い!」と、長い方の辺を手前にして巻き始めたらあっという間に巻き終わってしまって「しまった(汗)」。と。クリームはむちゅぅっとはみ出てくるし。。。やっぱりこういうお菓子作りって私には向いてないなと思った。

くるくる巻いているロールケーキって、なぁ〜んか見ているだけでもうれしくなる焼き菓子で、一度作ってみたいなぁって思っていたんだけど… やたら手がかかるっ。危うくスポンジ部分を焼きすぎてしまいそうになったし、クリームもホイップがどうも上手く泡立たず… やっぱり私には、一つのボールに材料を全部どっかーんといれて混ぜて焼く、のがむいているみたいです。

でも、味はとっても美味しかった。ケーキ生地もパンプキン風味だし、スパイスが効いていてクリームは軽いし。相方も「すごく美味しい。でさ、真ん中だけじゃなくて、あともうひと巻きしてクリームがくるんとはいっているといいねぇ」というコメント。「Ya, I know.」と私。 それ以上、何と答えられましょうか。

もう一回作ってみようかな。冬休みになったら。

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真ん中にしかクリームがはいっていないロールケーキもどき

ビクトリアはもう冬景色。木々の葉っぱはすっかり落ちてしまい、最近はずっとグレーなお天気。この冬は冬らしい冬になるらしいよ。ココ数年はずっと暖冬だったから。

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気を抜いたのか、風邪をひいてしまいもう一日休みをもらった。頭ががんがんして鼻水がとまらない。壊れた水道の蛇口のようです。

そうだ、この巻けなかったぺちゃんこロールケーキで余ったホイップクリーム。濃い目のコーヒーを入れて豆乳をたっぷり入れて、ウィンナーミルクコーヒーを作ってみた。 みんな子供の頃はコーヒーに「ウィンナー(ソーセージ)」がはいってんのか?って思った、あれあれ。ウィーンのコーヒーっていう意味らしいけど、ウィーンのひとって本当にホイップクリームのせて飲むのかな。

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コーヒーが熱すぎたのか、すぐに溶けてしまった。あったかい飲み物が嬉しい季節。

ふと、吉本ばななさんの本を読み返したくなり、大学の図書館で検索すると数冊日本語のものがあった☆ 「うたかた」を読みはじめた。最初に読んだのってもう20年ほど前で、当時こちらでも彼女の作品は話題になっていて、誰かに借りてざざぁっと読んで終わったっていう記憶しかない。40代になってから読むと20代の自分が感じなかった感情がじわりとわきあがってくるものなのかな。彼女の心の描写がとてもきれいだと思う。以前の自分にはしっくりこなかったり、さらっと読み流していたところも、一休みして感情を心に描いてしまったり。淋しさとか嬉しさの表現がすてきだなぁって思う。

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「まっさらの感情」「自分が生物だと思える」って、いいな。誰かと一緒にいてそんな風に感じられるってすてきだろうな。

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雨上がりヤミアガリ、イシグロ→宮本輝

今週末は感謝祭の3連休。

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だというのに、少々風邪気味で。昨日の土曜日、相方は熱を出してダウン。私は頭痛と肌がぴりぴりと痛かった。ここで私までダウンしてなるものか!と、モリンガのヨーグルト食べてオレガノオイルをとってしっかりと昼寝をした。相方は今日も本調子ではないけれど、私はずいぶんとスッキリ。しっかり食べてしっかり寝るのが一番ネ♪ ほ〜んと、今、風邪ひいているひと多いからなぁ。気をつけなきゃね〜。

昨日の土曜日は朝から土砂降りだった。お昼すぎ、空が少し明るくなって雨が小雨になり始めたのを見計らって散歩。

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雨の合間の散歩(土曜日)

雨上がりの散歩はしっとりとして気持ちがいい。苔の緑も秋の色も鮮やかになり、湿った枯葉もいい匂い。

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↑↑こんなふうなサルノコシカケの様なのが木に寄生している(?育っている?)のを見かけたら、要注意なんだって。その木、内側から腐っている可能性が「大」なんだって。うちの近所に数カ月前に越してきたご夫婦が、大きなオークの木を切り倒していた。同じようなひだひだのものが樹の幹に育っていたから。この地区では木々を切るのには、区の許可が必要で、よっぽど出ないとその許可が降りない。病気という理由なら切り倒してもいいんだけど、費用は自分持ち。高いですとっても。木を切り倒したらそこに同じようにまた木を植えないといけないのも決まりなので、大変なのです。ご夫婦は頭を抱えているようだったけれど、前庭が明るくなって良かったね〜、と言うと「そうだわね」と笑っていた。

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スノーベリーと水雫が好き。

さて。私の読書のペースはとってもスローです。本当にのろのろ。天気が良いと体を動かして何かをしていたいし、となると、読書の時間はお昼休みか夜寝る前。だからなかなか進まない。7月の初めだったかな。初めてイシグロカズオの本「An Artist of the Floating World(「浮世の画家」)」を読んでみた。イシグロさんは幼いころに渡英しているので、ご両親は日本人だけれど日本語はほとんど話せないらしい。それでも彼の書く文章や世界って、日本人らしさというか日本人の感受性がとても色濃いように思った。私は手元に邦訳のものがないので英語で読んだのだけれど、読みやすかったから。すぅっと沁み入るような感じ。言語って面白い。日本語でもそうだけれど、文章ってそれぞれリズムがあって読んでいると自分の中で声ができあがってくるでしょ? その波長に自分が馴染めるかどうかは、私にとって読書をするうえでとても大切な要素。英語の本の場合も同じく。イシグロさんの本はこの波長がとても心地よく、すすっとストーリーに馴染んでいけた。

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読書感想はとっても苦手なのであえてしませんが、二冊目に読んだのが「When we were orphant(「わたしたちが孤児だったころ」)」。三冊目が「Never Let Me Go(「わたしを離さないで」)」。続けて三冊、イシグロさんの本を読んで「ちょっと休憩〜」な気分になった。特に最後に読んだNever Let Me Goは、読みながらも読み終わってからもやるせない気持ちになって。文章もキャラクターも好きだったし、彼の作品にはぱぁ〜!っと明るくハッピーなものはないっていうのは聞いていたので心構えはできていた。ただ、クローンっていうトピックが苦手だった。想像していたよりも自分が動揺してしまった。すごく悲しくなって。

で。

気持ちを切り替えよう!と、宮本輝さんの「田園初港行き自転車」。

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春に帰国したときに「スーツケースにスペースがあったら持って帰りなさい」と、父からのお古。「風景の描写が素晴らしかった。ときどきほろりとくるシーンがあったよ。」と。

雨の土曜日、ホットココアをいれて読み始めたよ〜。 あぁ、やっぱり日本語で本が読めるのって娯楽だ〜♪

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