before storm or after storm

Aftershock. だろうか。

今日は一日ぼぅっとしていた。言葉が出てこず。
utterly speechless. utterly stunned. 

afterorbeforestorm

夕方の海岸で昨日と変わらない穏やかな海を眺めながら「Before Storm? or After Storm?」と問いかけてみる。

考えていた。自分の貧弱なものさしでしか測れないのだけれど、考えていた。

第二次ベイビブーマーの私は、もちろん戦争を経験していない。世界の何処かで常に争いは起きていたけれど、そばに火の粉が飛び散る距離に立ったことはない。近年増えてきている自然災害にも、幸い直接被害を受けたことはない。トランプが当選して一夜開け、「現実なんだな」と沁み入るような恐ろしさを感じた。ひとつの「時代」に真っ黒な幕が被せられたような。アメリカだけのことではない。

選挙の当日までのヒラリーとトランプのバトルは、人間の醜さを露骨にぶつけあうプロレスかリアリティ番組の様に映っていたんだと思う。なんとかヒラリーに落ち着いて、それで番組終了、みたいな。終了、ではなくて、これが始まりのように見える。トランプが既に選んで名前をあげている政治家たちも怖い。ギングリッチ、ジュリアーニ、クリスティ… スプリームコートも大きく右に偏るだろう。アメリカに住む相方の友人やお姉さん妹さんも、大きなショックを受けていた。お姉さんの会社では泣いている人もいたらしい。

相方とも話していたんだけれど、ヒラリーさんの言葉は国民の心に届かなかったのだろうと思う。何度も演説の様子を見てきたけれど、何のトピックにおいてもどれだけ熱く訴えていても、どうも「心」が感じられなかった。ありきたりのレトリックで薄っぺらかった気がする。一方、トランプは、彼のえげつなさでもって、国民の「怒り」や「不満」をわしづかみにしたんじゃないかな。彼の信じられないような暴言やおごり高ぶる態度は、もう堪えきれないという国民の怒りとシンクしたように思う。

トランプ当選後、支持する人たちの前で語ったヒラリーさんの言葉は、今まで私が聞いた彼女のどんな演説よりもストレートで人間性を感じた。もう遅いんだけどな。

歴史はくりかえす、ってありきたりな言葉だけれど、繰り返してはいけない歴史の章はたくさんある。

と。言葉はうまく出てこないものの、なんていうか、現実離れしたような現実に起きていることをみつめて戸惑ってしまった一日だった。ただここに在るいつもの変わらない風景にすがっていたい気分だった。

kumototsuki
昨日の夕空より。雲と月の関係。

深呼吸。深呼吸。