Billさんの作品

Billさんは相方が伊語のクラスで知り合ったアーティスト。お仕事もされているんだけれど、独自のスタイルの制作活動もされている。お孫さんと一緒にイタリアに行くため、コミュニティセンターのイタリア語に通われていた。

「独特のオーラのある人だ」って、やや興奮気味にBillさんのことを私に話す相方。しばらくして、Billさんの作品の一つをYoutubeで見せてもらいとても惹かれた。で、去年の秋に「一つ自分たちのために作ってもらいたい」ってお願いしたのでした。

字を一字選んで欲しい、と頼まれたので、私は余り迷うこともなく自分の名前の一字「生」を選んだ。そして数カ月後、Billさんのアトリエに作品を見せてもらいにいきました〜(去年の暮れ)。

Billさんの作品

見ての通り、和紙の短冊。Billさんはこの部屋で瞑想もし、習字もするらしい。どちらも30年以上も続けてこられたんだって。抽象画も描かれるみたいだけれど、今はこの短冊で部屋がいっぱいです。とても穏やかで「満たされている」人だな、っていう印象を受けた。

作品の制作過程は、和紙に文字を書き、それを細い短冊に切り、少し間隔を開けて竹ひごに貼り付ける。という作業を20〜30回繰り返し、ひごを正方形の木枠に固定する、というもの。この木枠がヒモで吊るされ、少し力を加えることでゆら〜りと回転する。

Billさんの作品のスタイルを一言で表現するのは難しい。ただ「バシッ」とキャンバスに描かれたものでもなく、「ガチッ」と形にまとまったインストレーションでもない。一つ(または幾つか)の文字がバラバラの粒子になり、光や風と交じり合い、また形を形成していくの。でも、ぴったりとした文字にはならず、またハラハラと分解し始める。時代を逆行しているようにとてもアナログで、コンセプトとしては(それがBillさんのコンセプトかどうかはわからないけれど)科学的でもあり、未来的な要素もある。

ずぅっと見ていても飽きないから不思議です。

見てみてね♪ 「生」という字(反転しちゃってるんだけど)、見えますか? よく見ると、小さな小さな「生」も周りに書かれているんだよ〜。

*おまけの一枚:相方より

Gusとの昼の散歩のときに撮った一枚だって。今日は寒かった〜

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「Billさんの作品」への8件のフィードバック

  1. 作品のことは後に書くとして、この短いフィルムはpapricaさんとご主人の作品?
    この素敵な作品が動いているのと、背景の影との雰囲気、音楽がとっても素敵。
    この影と作品を写真に撮りたいなーなんて、フィルムを何度か見ながら思ってました。

    なんか不思議、この作品。理由なんかなくて、直感で好き。
    ゆらゆら揺れているところをボーンやりと見ていたいな。
    漢字って、自由な絵のようなイメージなんだろうね、外国の人から見ると。
    「生」って字も素敵だね。

    1. Sachieさん、いつもありがとう〜。
      うんとね、相方がカメラでショートビデオをとって、iMovieでBGMを入れただけだよ。音楽は尺八での演奏で「Japanese Flute」っていうアルバムの中の一曲。相方がみつけたもの。Billさんの作品に合ってるよね♪ 写真もね、実は相方が数枚撮っていたんだけど、どこに保存したかわからないんだって。ちょうど昼の光が差し込んで、良い時間帯だったなぁ、って私も思ったよ。

      うん、私も直感で好きです。Billさん本人も言っていたんだけど、彼の作品はこうして動いていることで生きてくるって。
      ばらばらになった要素がまた一つになっていく、その繰り返しがとても「自然体」でしょ? 私たちの呼吸や海の波みたいにね〜。
      「生」という字にしてよかった☆ 色んな角度から見てみるのも面白いんだよ。またビデオ撮ってみようかな。

  2. こんにちは。
    すごい作品ですね。これはいいなぁ~上からぶらーん、とぶら下がるものが何故か好きなんですけど(モビールとか、、、)これもそれに類する系統のデザインなので、余計に惹かれるのかも。
    Billさんはお習字はどうやって習われたのでしょう?
    かなり達筆のようにお見受けしましたが、、、
    自分が字が下手っぴぃなので、(お習字も子供のころ習わされましたが、全然上達せず止めちゃいました)羨ましいです。
    なんとなく、この芸術作品はCanadaだからこそ生まれた作品のような気がします。
    私の勝手な思い込みですが、何故かとてもカナダらしい、という気分にさせられるのです。
    それだけに、きっとpapricaさんのおうちにぴったりな作品なんじゃないかなぁ~と想像しています。

    1. Saoriさん、こんばんわ!
      うんうん、私もモビール系大好きです!宙に浮かぶ様子が見ていて楽しいんですよね。父もモビール好きで、よく作ってました。
      Billさんは若い頃から瞑想をされていて、お習字にも瞑想的な要素を見出して続けてられるようです。書体については、私がネットで漢字を入れると色んな書体が出てくる、っていうサイトを見つけて、それを参考にしてくださったんです。書体のバリエーションにはBillさんもすごく驚いて感激されていて、Billさんが選んだ「生」の書体には私たちも満足しています。
      Saoriさんは字が上手そうですよー。女性らしい字を書かれそう。
      私は習字が嫌いでした。。。あの匂いがねー。筆が乾いたときの匂いが嫌で。お習字も硬筆も、未だにヘタクソで。姪っ子のほうがずっとうまいです。
      「カナダらしい」という印象、実はうちの父も同じことを言ってました! ロッキーの山や木々や風を思い浮かべるって。面白いですね〜。
      木枠の部分がちょっとズレている気がして。。。 タコ糸で吊るされているだけだし。今度、Billさんに修正してもらおうかな。でも、こういうふうに少し未完成っぽいのがBillさんかもしれません。

  3. sankichipippimegu より: 返信

    papricaさん、こんにちは~

    この作品興味津津 拝見してます。
    Billさんの書道の腕前、大したものですね!細長く短冊状にしちゃうには、文字自体に力強さや深みがないと心に響いてこないですものね。。。
    我が家ににゃんこが来て以来書いていませんが、書道がずっと好きで続けていました。小さいい頃から墨のにおいが大好きな変な子供でした^^いちばん長くお世話になった先生は、どちらかというと小筆の仮名文字(古今和歌集みたいなの)がお好きな先生でしたが、私は条幅に書く漢字や、新和様がけっこう好きでした。
    Billさんの書かれる他の字も是非見てみたいなぁ!海外の方が書道をされるのって絵を描く感覚なのでしょうか・・・?でもこの方は、本格的に習われたのちにここに辿り着いたって感じがしました。
    Papricaさん、宝物が増えましたね(^^)v

    1. sankichipippimeguさん、こんばんわ!
      お体の調子、いかがですか? ヨガと水泳の毎日は戻ってきましたか? 
      Billさんの書道、素晴らしいですよね。私も始めてみた時には驚きました。「我流ですよ」っていって笑っていましたが、ハッキリとした彼のスタイルがある、と思いました。
      私たちが一字を選び、その一字を何度も練習してくださって、それを3つの大きさの作品に仕上げてくださったんです。私たちが選んだコレは中の大きさです。
      Billさんもsankichipippimeguさんの様に、継続の人です。瞑想も、お習字も、コツコツと毎日続けられてきたそうだから。私たちとは大違い。それにとても笑顔が優しい人です。
      書いたり、制作したり、という作業は瞑想につながるものがあるんだそうです。
      sankichipippimeuさんも書道をされるのですね〜。やはり、書いていると気持ちがすぅっと落ち着きますか? 私は書道が苦手で… あんなに難しい物はないっ!って思います。
      とても繊細な作品なので、ぶちっと和紙をちぎったりしないように気をつけなくちゃいけませんっ(笑)

  4. こんにちは!  この作品、素敵ですねぇ! つかの間のはかなさの様でもあり、再生する感じでもあり、とても美しいですね。

    ヴィデオを見て、一体どうなっているのかなとあれこれ考えながら、papuricaさんの説明をもう一度じっくり読み、あ、そうか、と作り方が分りました。
    すみません、その辺りをつい知りたくなるもので。 
    Billさんにとっては、このスタイルを思いつくまでが大変だったのでしょうが、今回もこうして読みながらpapricaさんの書き方表現がとても適切なのに改めて気がつきました!

    お名前に「生」の字が入るのですか? それは素敵ですねぇ。
    お名前どおり、素敵に生きていらっしゃいます!

    1. shinkaiさん、こんばんわ!
      面白いでしょう? 不思議でしょう? 次回はもう少しクローズアップしたり、角度を変えて撮ってみるべきだと思います。
      近づけば近づくほど何だかわからなくなり、分子のように黒い要素が散らばっていく様に見えるんです。一定の距離まで離れて眺めていると、そこに文字が浮かんでくる、だけど完全にぴたりと形になる前にまた離れていく。時代に逆らった全くのアナログの世界のようでもあり、とても普遍的な存在そのものでもあり。言葉では上手く言えないのですが、とても不思議な印象を受ける美しい作品だと思います。

      「生」という一字は父の名前の一字をもらったもので、子供の頃は男の子の名前だと間違われるので嫌だったんですよ。今では気にしませんが。
      素敵に生きる、というのは大きすぎる目標です。でも、大切に、なら生きられるかな、と思ってます(笑) 

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