じゅーぶー

相方がオレゴン州に住むイトコさんと長電話をしていた。彼らの住む街「アッシュランド」には、私も一度訪れたことがあるのだけど、カナダの西海岸と比べると白人が大半を締めている感じを受けた。シェークスピアの悲劇で有名な、こじんまりとしたかわいらしい街。

相方の長電話の間には色んなトピックで会話が行き交ったらしい。ひとつは、そんな小さなアッシュランドで「頭のナイシタイ」が見つかったんだそうな。こういう事件は暴力沙汰の多いアメリカでも、流石に稀なんだそうで(そうであってほしい)、FBIが駆けこんで調査をしているんだって。彼らの話では、こういうケースにはメキシコ流れのドラッグが絡んでいるとのこと。

メキシカンが歩いていたらめちゃくちゃ目立つだろうな、っていう街なのに。

もうひとつは、相方が「アッシュランドみたいな街は、アメリカの東海岸とは違って、Jewish(ユダヤ人)は少ないんだろうね」って、聞いたところ、イトコのジェーンが「なんのなんの。わからないだけでたっくさんいるのよ。それもただのジューではなくて、ジューブー(Jewbu) なんだから。」って。

なにそれ?

Jewish + Buddhist (ユダヤ教徒+仏教徒)のことを、ジューブー、またはブージュー (Buju)、って呼ぶそうな。

なにそれ。

つまり、ユダヤ人なんだけど、仏教を進行している人たち。

ユダヤ教って、お母さんがユダヤ人だと、生まれて必然的にユダヤ人(ユダヤ教信者)になるのが普通です。みんながみんなそうではないけど。ユダヤ教の人たちは、別の宗教を信じたり、ユダヤ教以外の神様(?)を拝むことを厳しく禁じています。

が、「ぶー」はオッケーなのだそうです。仏教徒たちは、キリスト教で言うキリスト様を拝むように、ブッダを崇拝しないからだって。ブッダはGodではないから、仏教も100%宗教とみなされないんだって。だからオッケー。

そして、ブージュー。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教。仲良くなるにはなかなか難しい宗教です。ブージューの話を聞いて、仏教や禅宗が、アジア以外の国で不思議と支持されている理由を色々と思い浮かべてしまいました。

ときどき、キャンパスで「キリスト教」に誘われるんだけど、「仏教徒です」というと「That’s Good for you.」っていう返事が返ってきたこともある。その返事も面白いよね。

 

「じゅーぶー」への8件のフィードバック

  1. 興味深い話題だな。
    クリスマスを祝った数日後に「ひゃくやっつ」の鐘の音を聞き、
    鳥居をくぐって破魔矢を買う。ワタシもその典型。
    ワタシのご朱印帳は、神仏ごっちゃ。
    マリア様でもイエス様でもアッラーでも。神様でも仏様でも。
    前に進み出でたら「こうべを垂れる」のは、どの宗教も同じだね^^

    1. a-ki_laさん、こんばんわ〜。
      わたしも、神仏ごっちゃ。用途に合わせて駆け寄るところも違います。
      そういうトコロ、好きです。神さんも、仏さんも、得意分野があって、その分野で頑張ってくれている。
      日本には「アニミズム」的な思想もはびこってるもんね。
      ひとつだけの神様はオッケーで、他はダメって言ってしまうと、人生やりにくいだろうなとも思う。

      ほんと、頭を垂れるのは同じだ。
      でもさ、手を合わせるのは神仏だけ?

  2. uitatan(yui) より: 返信

    こんにちは。
    ジューブーですか、初めて聞きました。

    日本に暮らしていると宗教ってちょっと遠い世界の話に思えますが、
    生活の根底に宗教が根付いているところも多いんですよね。

    ちなみに私は新宿の地下街を歩いていると、
    90%くらいの確率で
    「手相みさせてもらえますか?」
    という怪しい人に声をかけられます。
    そんなにお先真っ暗な顔してるのかな(笑)

    1. ジューブー、笑える響きでしょ?仏教が「ぶー」って省略されているのも愉快です。

      うん、こっちではシリアスなキリスト教徒がいたりするからね、夕食に呼ばれたときに、宗教と政治の話題はタブーであったりします。
      仏教徒って、結構柔軟で、他の宗教が何をどう信じていても、それはそれで受け止めるところがあるけど、キリスト教徒やイスラム教の人たちの中には、そうも適当になれない人もいるからねぇ。

      手相をみさせてほしいって、それって、ちょっとかっこいいよ、yuiさんっ!
      きっと、不思議なオーラが出てるんだわ〜。
      みてもらったことあるの???

  3. 仏教にそんな柔軟な対応をしてもらえるのは嬉しいなあ。
    日本古来の八百万の神も仏教も区別なく信仰(信じてるだけ)している私は、神様とかでなく、「大いなる力」の存在を
    信じているのです。
    世界の人々が仲良くなる手段として仏教が役にたてば
    嬉しいなあ。そんな簡単な話じゃないとは思うけど・・・(笑)

    1. senbeさん、こんばんわ!
      ですよね〜。仏教徒そのものに柔軟なところがあるから、カトリックとして育てられた人たちでさえ、仏教に興味を持ったりするんじゃないかな。っておもいます。
      日本人って、「この仏さんだけっ」って一途に信仰しているひとって少ないですよね。
      それに、草花や石ころにまで「魂」や「エネルギー」があるんだよって聞かされてきた子供たちも多いもん。
      チベット仏教を信仰するカナダ人、多いのですよ。旗がひらひらしているおうちを見かけます。

  4. 面白いですね 前にユダヤ人の同僚がいて、興味があって色々ユダヤ教の事聞いたり、調べたりしましたが、つながりが深い、独特な宗教だなぁーって思いました

    仏教って本当平和だと思います
    色んな宗派がありますが、結局は自分が仏になる為に輪廻転生を繰り返し、色々経験するって聞きました だから、他力本願ではなく、自力本願 本当宗教って言うより信仰ですね
    だから他の宗教も受け入れられるし、本当柔軟ですよね
    キリスト教やイスラム教も柔軟であれば、戦争が減るのに、、、と思いますね

    1. 梅さん、おはよう。
      私も、仏教の国(一応、そうだよね?)に生まれてよかったと思うことが多いです。
      海外にいると、いろんな宗教を信じている人たちに囲まれて暮らすわけで、自分は真剣な仏教徒でなくても、ものの価値観や生きることの意味みたいなものは、仏教の影響が大きいのだなぁって感じます。仏教には、仏教徒でない人たちは「悪だ」っていうコンセプトがないので気持ちが楽ですよね。

コメントは承認後に表示されます。