はじめての朝顔さん・からくれないちゃん

朝の光は特別。

朝の光の中でしか見ることのできない姿がある。

↑は、咲き始めるチコリの花。大きく長く伸ばした茎の先の先の方まで花をつけている。我を忘れて腕を振り回している指揮者のように、茎をあちこちに伸ばしているチコリは、ちょっとクレイジーで楽しい(↓の写真にも少し写ってるでしょ)

去年の秋に帰国したときに、父から朝顔の種をもらった。「小さくてたくさん花をつけるよ。」って。旅行先のお土産屋さんのおばあさんがくださったんだって。で、父が勝手に「からくれない」っていう名前をつけた。

うちの涼しい夏で育つのか疑問だった。去年も、Sachieさんに頂いた種を植えてみたけれど、大きくなれなかったから。今年はグリーンハウスで苗を育てたのが良かったのか、それとも、この種が冷涼な夏に強いのか。

数週間前に最初のツボミを付けた♡

きゅぅっととじたツボミがかわいくってねー♡

透き通った赤い色のしずくが絞り落とされそうで。

で、見ていてふと頭をよぎったのが、「まだあげ初めし前髪の…」…

記憶って、どこで何がきっかけで浮かび上がってくるのかわからないから面白いねぇ。島崎藤村の「初恋」だったよな、って、後で検索して読み直してみた。で、このページで紹介されている現代語訳がいいなぁと思った。

まだあげたばかりの あなたの前髪が
林檎の木の下に見えた時
その前髪にさしている花櫛の花のように
あなたのことが本当に美しいと思った。

あなたは、やさしく白い手をのばして
わたしに林檎をくれました。
それは、薄紅の秋の実、りんご。
わたしは、初めて人を好きになりました。

わたしが思わずもらしたため息が
あなたの髪の毛にかかってゆれたとき
ああ、わたしは、今、恋の盃を君と酌み交わしていると
思えました。

林檎畑の樹の下にあるのは
わたしたちがここに通って歩き踏み固めた細い道。
「いったい誰が、道ができるほど踏み固めたのでしょうね」と
あなたは尋ねる。
あなたのそんなところがまた愛しい

この詩を中学(?高校)の授業で習ったときには、藤村の気持ちがさっぱりわからなかった。何言ってんだろって。今、読み直すと、この情景が目に浮かんでくる。あの頃は若すぎたっ!

から紅ちゃん。

植えた種は多分、全部同じ花が咲きそう。小ぶりで涼し気なこの朝顔をみて、「あぁ、だから ‘からくれない‘ って名前をつけたのか」って思った。

とにかく、日当たりがよくて地温が温かく保たれるところを。。。と。

かぼちゃと一緒に植えてみた子↑↑(笑)

ナスタチウムの隣にも。。。無理やり↓↓

朝、開き初めて、夕方にはもうしぼんじゃう。

久しぶりに涼し気な朝顔の姿を眺めながら、妙にノスタルジックになった。

小学校のころ、靴箱の横に並べたたくさんの植木鉢のひとつが私の朝顔だったなー。とか、子供の頃住んでいた小さな家の夏の日除けは、立てかけたスダレと朝顔だったなー。とか。その当時のなんともいえないけだるさとか、二つ割りのできるソーダ味のアイスの味とか、竹筒の凹みにかくれていたアマガエルのこととか、色々と思い出してしまった。

つるをどんどんどんどん伸ばしているんだけど… これってどこまで伸びていくんだろね… 困ったなー。

夏の朝は特別。

 

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「はじめての朝顔さん・からくれないちゃん」への8件のフィードバック

  1. papricaさんの所は全てうちより遅く咲いている感じなんだけれど、 朝顔は早いね! この朝顔は早咲きなのかな? すごく可愛い! ^ー^  今年は私は、早咲きのヘブンリーブルーを買って順調に育っているけれども花はまだまだ・・・・・・・    かぼちゃとかナスタチウムとすごく良くあってるよ! こんな風に育ててみるのも楽しいね!  

    1. tomさん、こんばんわ♪
      うんうん、他の草花はtomさんのところと比べると1ヶ月半くらい遅いと思うよ〜。この朝顔、絶対、涼しい気候を好むんだわっ。こんなにちゃっちゃと芽を出して蕾を付けて咲き始めるなんて、思いもしなかったもん。両親が山形の「さんや倉庫」っていうところに行ったときに、お土産屋のおばあちゃんが「どうぞ」って種をくださったんやって。
      もし良かったら送るよ〜(またtomさんの仕事が増えるけどっ)。tomさんはどうやって育ててるの? ネットなどに沿わせて? あんどん仕立て? 

  2. 島崎藤村の「初恋」を読んでジーンと感じたのは、遅ればせながらドイツに来てから。10代の頃にも確か国語の授業で読んだ記憶があるけれど、ふーん….と言う感じだった。

    朝顔、きれい!我が家は朝顔は今年はお休みしたから、ここで見ることができて嬉しいな。素敵な週末でありますように。

    1. Sachieさん、いつもありがとう〜!
      あははっ、私もだよ〜。授業の中で読んだときは、藤村の想いは全くわからなかった!でも大人になってから読んでみると、じ〜んとくるよね。彼がいくつのときの初恋でこれを書いたのだろうって思ったもん。

      そっか、ことしは朝顔お休みの年なんだね。Sachieさんにもらった種は、発芽しなかったり、しても大きくなれなかったから、また同じかな〜って思ってたんだけど。この子たちすごい!発芽率100%でぐんぐん育ってるよ!また見てね♪

  3. まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えし時…
    おそらく私、母親から教わったような気がします。
    その時はやっぱり、なんじゃそれ~? 状態でした^^;
    後になってようやく分かったけど、今どきそんな女の子は少ないかな~
    純粋でいい詩ですよね~
    からくれなゐに…も、私、落語しか出てきません(笑)
    もうちょっと私の頭ン中、上品にならんもんかしらん^^;

    1. ぽとすさん、おはようございます!
      お母さまから教わったのですか? 初恋とはこういうものなんだよって、教えてくださったのですね〜。素敵なお母さま。
      いまどきそんな女の子、いないいない。こんな想いをゆだねて詩を書ける男の子もいないいない!
      本当に、花のつぼみをみてふと思い出すほど、初々しい良い詩だなって思います。

      落語の「からくれない」?? 出てきませんよっ!
      私はぽとすさん的センス、好きですよ〜。いつも笑わせてもらってます!

  4. チコリってこんなに可憐な花を咲かせるんですね~。可愛い!

    からくれない、お父さんのネーミングセンス、素敵です♪

    1. yukoさん、こんにちわ!
      そうなんですよ~。私も今年始めて出会った花です。色も形もかわいらしいんだけれど、咲き方(茎の広がり方)が豪快です!
      今年、近所のおじいさんに譲ってもらった朝顔の種には「令和」と名前をつけたそうです~(笑)。