ルッカからはのんびり電車でフィレンツェまで行き、フィレンツェからローマまでは特急(?)でたったの1時間半だった。なかなか快適な電車で、これならもうちょっとのっててもいいねーって思ったヨ。
さて、大都市ローマに戻り、人混みにもまれることなく散策・観光したいの~と、マシモとフランチェスカに相談。一日にメインスポットを一つ決め、あとはその周りを散策というパターンに落ち着いた。まずは、絶対に行きたかった「ボルゲーゼ美術館・Galleria Borghese」!
シエナ出身の貴族、ボルゲーゼ家の避暑地としてデザインされたVilla Borghese。このボルゲーゼ美術館はシピオーネ・ボルゲーゼが別荘として建てたもの。ココにはボルゲーゼコレクションって呼ばれるボルゲーゼ家が集めた数々の美術作品がテーマごとに展示されてます。シピオーネ・ボルゲーゼは彫刻家ベルニーニのパトロンでもあったんだって。ベルニーニの有名な作品やカラバッジョの衝撃的な絵画を目の当たりにすることができるよ!!
ボルゲーゼ美術館は予約制。私たちは、すでにカナダから予約を入れておきました。一定の人数だけが決まった時間(2時間)内で館内を見ることができ、時間が来ると次のグループと入れ替わるようになってます。なので、館内が異常に混み合うこともなし、ゆったりとしてました。マシモに薦められてオーディオディバイスも借りたよ。ある程度の作品の歴史や逸話などを聞くことができて、借りて良かった♪
チケットを貰ったら、手荷物は全て預けなければならないので、館内での撮影は一切禁止。それはそれで良かった。その分、じっくりと肉眼で生の作品に見入ることができたから。
ローマにはたくさんの素晴らしい美術館があるので、どれを見ようか迷うだろうけれど、ボルゲーゼ美術館は是非、是非、是非っ!っておすすめしたい。ここでベルニーニの作品を見て初めて、彫刻というものに体全体で感動した気がした。初めて彫刻を見て鳥肌が立った。中でも「アポロとダフネ・Apollo and Daphne」の美しさは極まりないものだった。

恋するアポロの腕から逃げようとするダフネが、月桂樹に姿を変えてしまう、という瞬間をとらえたもの。この月桂樹の葉っぱがね、ものすごく薄かった…解説によると、この薄く彫られた月桂樹の葉をスプーンで軽く叩くと、クリスタルをかち合わせたような透明感のある響きがするんだって。これが1つの石から生み出されたものだなんて、信じられないよ。「神業」だ。神の力にとりつかれたベルニーニの姿を想像してしまいました。これだけの作品の数々が、一個人の「別荘」に収集されているということを考えると、また気が遠くなりそうでした。
ボルゲーゼ美術館は緑に溢れた素敵なボルゲーゼ公園の一角にあるんだよ。なので、美術館を見たついでに散歩もすることができます。
ボルゲーゼ美術館の裏側の公園も素敵だった〜。
ここに並べられている彫刻もベルニーニのものがほとんどだったらしいけど、これらは複製。ホンモノはというとニューヨークのメトロポリタン美術館にあるんだってー。ほほぅ。うまく言えませんが、私は美術作品はそれらが生まれたところで一番輝いて見える、気がする。その地の風景や空気に馴染むからかな。
私たちはここで、去年の春にちらっとうちに遊びに来てくれたローマのお客様「アレッシオ」と待ち合わせ♪ ローマで公式ガイドをしている彼ですが、お昼が空いていたので散策に付き合ってくれたー。アレッシオは、このボルゲーゼ公園の近くのコッペデ地区近郊(?)に住んでるんだよ。先に言っちゃいますが、彼のおじいちゃんが建てたアパートに住んでいるんだけど、素敵だった…映画に出てくるような空間だったよ(写真なしですー)。うっとり。
ボルゲーゼ公園からアレッシオのアパートまで歩いたのですが、Triesteって呼ばれるこの地区には、どっしりとした大きなアパートがたくさん並んでいた。マシモたちの住んでいるローマのテルミニ駅の辺りとは違った雰囲気だし「グラフィッティ(ペンキのラクガキ)」が無いっ!
車も一応ちゃんとまっすぐに同じ方向を向いて駐車されてるしー。お店だってハイエンドっぽいものが多い。アレッシオに聞くと、この辺りはちょっと高級で、スーパーに並んでいるものも割高なんだってさ。(アレッシオ、そんなところに住んでたのね)
アレッシオの後をのろのろと歩いていると、Piazza Buenos Airesに出たよ。「サン・マリア・アドロラータ教会」。アルゼンチンのビショップと寄付によって1910ねんに着工して20年かかったんだって。アルゼンチンからローマ教皇が選ばれたときには、ここでも盛大なお祝いが行われたのかな。
そして。出たっ。「La casa degli ambasciatori」
この辺りは「Coppede district・コッペデ地区」って呼ばれていて、建築家のGino Coppedéによる個性的なアールヌーボー建築が寄り集まってるそうな。物静かなアレッシオがさささーっと歩いて行く後ろで、「ちょっ、ちょっ、ちょっっっとーー!待ってープリーズー!!なんなん、これっ?!」と一人大騒ぎするワタシ。
アーチをくぐったところが「Piazza Mincio・ミンチョ広場」で、コッペデ地区の中心。どれだったか覚えてないけど、一つはロシア大使館なんだって。地区といっても、街の一角にあるし、ローマ観光のルートにははいってないというのもあり、詳しい情報に乏しいんだけど。見たら絶対に忘れない建物たち…
ピアッツァを囲んでいる建物の一つは「蜘蛛の館」。暗くて見えないけど…この顔の↓、ドアの上に大きな蜘蛛の装飾がほどこされているのです。
で、コレ(↓)は妖精の館だそうな…怪しい。
今は個人の邸宅みたいだけど。こんな仰々しいお宅の中の装飾はどうなってるんだろうね。
窓辺がかわいらしいな、と、見上げると。屋根の裏側にも鮮やかな装飾。いいなぁ。
たくさん歩いて、ようやくアレッシオの素敵なアパートを拝見し、途中買ったピザを彼の庭で食べましたー。オレンジやびわ(?)の木に囲まれたオアシスのような空間だったよ。
でね、その小さなオアシスで幅をきかせているのが、この彼(↓)。「Mr. Killer」
庭に住み着いている亀。アレッシオの話では、この庭に誰かが来ると、どこからともなく現れて「噛み付く」んだって。「そんな亀が本当にいるのー」と、笑っていたワタシですが。Mr. Killerは私の靴紐に食らいついてきた… アレッシオが遠くに連れて行っても、しばらくするとまた現れて、クルブシに噛み付いてきたー!Mr. Killerって言う名前の由来は、「きっと一匹で寂しいんだ」とアレッシオが買ってきた亀がいたんだけど、ある日Mr. Killerはこの新しい亀をバラバラにしちゃったんだって… まじで。
ボルゲーゼ美術館に始まり、Mr. Killerで締めくくった散策でしたー♪
こんにちは^^
うわ~面白い!です。
建築様式がほんとイタリア!って感じがします。
17世紀後半からイギリスの上流階級の人たちはグランドツアーと言って大陸の建築物や美術を見に(学びに)出かけたんですが、きっとイタリアの建築物ってすごく魅力的にイギリス人には写ったんだろうなぁと思いました。
紹介されている建物はもっと後期のものですが、アールヌーボー、デコ建築が好きな私にはすごく興味がある建物ばかりです。
Mr.Killer、、、噛み付くからそういう名前なのかな、と思ったらそんなブラックなオチが、、、(汗)亀って呑気なようでいて、実は結構縄張り意識が強いのかしら?
PS.前回書き損ねちゃったのですが、3周年おめでとうございます!これからも日々楽しい話題を読ませてもらえるのを楽しみにしています♪
Saoriさん、こんにちわ。
でしょ?こんなのがいきなり目の前に現れたらびっくりするよねっ?
リッチなイギリス人のグランドツアーっていうのは初耳です。ヨーロッパは歴史の宝庫だから、グランドツアーも題材に困らなかったよね、きっと。
Saoriさん、アール・ヌーヴォー好きなんだ~。私は建築物でこの分野に当てはまるのを見たのは、今回が初めて。
これでもかっ!って程のデコレーションが施されていて、なんだかエキスポのパビリオンのようでしたー。あはは。
Mr. Killer、笑えるでしょ?アレッシオは「全然笑えない。友人の足や子供やペットの犬にまで噛み付くから困ってるんだ」って言ってた(笑←やっぱり笑っちゃったけど)
こちらこそ、Saoriさんのブログの本やテレビを含めた英国情報、とっても楽しみにしています!これからもよろしくおねがいしまーす!
いま、過去記事からずっと読んできました。すごく見ごたえあった!
今回の記事の街は、荘厳といった様子の街並みなのね。
相方さんのルーツを辿る回のルッカという街、行ってみたいです。
ご親戚のファームハウスでの出来事も、クスクス笑いながら読みました。
先方はいたって大真面目なんだろうけれど…
3周年おめでとう☆ 遅れちゃってごめんなさいね。 これからも楽しみにしています。
続けることって。ただそれだけで称賛に価すると思います!
a-ki_laさん、おかえり!関西遠征だったんだねっ。リポート楽しみだー。
長々とつづっております。。。旅リポート、さかのぼってまでして読んでくれてありがとう~。
ルッカはそれこそ「路地裏」ばかりの町。迷路のようでワクワクするよ。半日、ピアッツァに座って行き交う人を眺めていても面白いと思う。
あの親戚たち+その友人たちのパワーには。。。ふっとびました。こんなふうに元気に生きていたら、長生きするなぁ~って思ったり。みんな笑顔が素敵だった~。
a-ki_laさんは、私がブログを始めた初めの方から遊びに来てくれているんだよー。いつもどうもありがとう。Hug。
マイペースで続けていこうねっ!
Mr.Killer、すげえ。
昔、実家で飼ってるミドリガメに娘(当時1歳)がいたずらして、お返しに(?)くるぶしをカプッて噛まれて大泣きしたのを思い出しましたw
彫刻、いいですねえ。
やはり一度はイタリアに行ってみたいなあ。
おがたさん、こんにちは!
えっ。ミドリガメって、あの片手にのる小さな亀ですよね。あんなのも噛み付くのー?!
私も小さなミドリガメを二匹、飼ってました。そうそう、カナダではああいう亀でさえ、ものすごく高いんですってね。友人のキッズが欲しがってたけど、高いからダメって言われてました。
彫刻も絵画も建築物も。イタリアはやはり歴史の宝庫です。またお金ためて行かなきゃー。