昨日は妙な一日だった。
両手の中に小動物のいのちのぬくもりを二度も感じた。
*
リモートワークの日だったので、昼前にからっからになっていた花壇のソーカーホースをONにしておこうと庭に出た。
と。
目の前をさささささっっと横切ったものあり。
ネズミ(Rat)?? ウサギか???
間髪入れず、私の直ぐ側を飛びゆくものあり。
チューイ。
「チューイっっっっっっっっ!!!COME!!!!」と叫んだものの、獲物を目の前にして私の声が届くわけもなく。
次の瞬間、きぃーーーーーっっっっ!という声。
うさぎだ。一撃したようだった。
私がかけつけると、チューイの足元にぐったりと横たわった子ウサギ。体の大きさも20cmほどの小さな子。
慌てて両手ですくい上げ、どうして良いものかとおろおろとする。まだ小さな息があったけれど、からだに力はなかった。
マッチ棒の先程の両手の指を大きく広げ、少し背中を反って小さく声をあげ、そのまま息をひきとった。目が開いたままでまだ温かいし、生きているのかと、柔らかな毛を撫でなから頭にふぅふぅと息を吹きかけ、Oh… come back bunny… come back.と言ってみるものの、だらりとして、鼻先も指先もぴくりと動くことがもうなかった。
小さな耳と小さな足と、少し開いた小さな口から見える小さな歯。目が潤んでいた。
苦しくて泣いていたのかと、心が傷んだ。
最後に見たのが私の顔だったら怖かっただろう。青い空だけを見つめていたことを願う。
庭の奥に穴を掘り、小さなウサギを寝かせた。お線香をたき、花を供えた。それしかできなかった。
ウサギが入ってこないように、フェンスと地面の隙間は全て板や石で埋めていた。なんだけど、その下を掘って入ってきたみたいだ。よくよく見てみるととても小さな抜け穴がふたつ見つかった。
*
そんな子ウサギのぬくもりがまだ手の中に残っていた昼下がり。
ダイニングのテーブルで仕事をしていると背後でカタカタっこんっと不規則に物音がした。チューイが裏口の辺りでなにかやってるのかと思っていた。
いや。チューイはベッドの陽だまりの中で昼寝していたよな。
こんっ。こここんっ。
ん?何の音?
裏口には何もいない。風が吹いているわけでもない。
ここここんっ。ちっっっちっっ。
はぁ???
はっっっっ。
ことりっっ!!
裏口の階段の上にある、天窓にコトリ!
この天窓は屋根に向けて天井から1.5mほど伸びる吹き抜けの先にあり、開閉はできないただの採光用の窓。かなりの高さになる。
一体何処かから入ってきたのやら、、、コトリ。裏口は開けっ放しにしてあるけれど、虫よけネットがすだれのようにかけてある。めくれあがった隅からテケテケ歩いて入ってきたのか。
なんでー?!
相方も「このコトリは助けないと駄目だ!どうやってレスキューする?!Oh… little bird, come down!」と、天窓を見上げなら焦っていた。どうするっって。虫取り網なんて家にない。
とんちんかんちん一休さんの出番だ。
家にあった一番長い竹竿の先に、透明なプラスチックの容器(ペンキ用バケツの中敷き容器)をくっつけ、長い長い「しゃくし」を作った。
ぱたぱたと騒ぎ続けるコトリをなんとか「しゃくし」で覆い、ゆっくりと壁に沿ってスライドさせて引き寄せた。が、その容器の下から飛んで逃げ、裏庭に面した窓に直撃。
軽い脳しんとうを起こしたコトリを慌てて両手で捕まえた。
チチッチチッ と言いながら私の手のひらをつつくコトリ。温かかった。
庭に出て両手を開くと、一直線に飛び立った。
*
小さな生きものたちの命。ひとつは終わり、ひとつは飛び去っていったぬくもりだけれど、この両手の中に感じさせてもらい不思議な気持ちになった。悲しいとか嬉しいとかそういうものではなくて、普段、ちらりと見る生きものたちはこんなにも柔らかくて温かいのだなぁと、特別な想いがした。

先日、似たような感覚を味わいました。 本降りの雨が降る中を家に向かって歩いていると、途中の階段でバタバタと羽音が聞こえてきました。よく見ると、階段の脇に雨水を流す側溝のすぐ上で椋鳥の雛が羽ばたいています。まだよく飛べないだけでなく、斜めになった側溝の上でじっとすることもできない様子。階段の脇の家の庭から落ちて来たようでした。
その家の庭は、階段より1メートルほど高い場所に庭があって、フェンスの下に隙間が空いていましたので、そこに戻せばなんとかなるかななんて考えて手を伸ばしました。雛鳥は当然パニックで、人間がそばにいることだけで相当な恐怖だったろうと思います。あともう少しというところで、頭の上から羽音が聞こえました。どうやら親鳥が雛を守ろうと攻撃して来たようでした。雛鳥も一所懸命羽ばたき、庭のある家の一つ下の家の扉の方に親鳥と共に消えていきました。
巣には戻れなかっただろうと思います。雨にもかなり濡れたろうと思います。でも、それが自然なんだろうなと考え直しました。手助けをしたから助かったかどうかわかりません。切なさだけが残りました。 長文、ごめんなさい。
tanuさん、こんばんは!
本当にとても良く似た遭遇、でしたね!その場面が浮かんできました。
本降りの雨の中でのTanuさんと雛とのやりとり。そばで見ていたら、ただただ静かに行われていたことなのでしょうが、そのときのTanuさんの心の声が聞こえてきそうな場面です。
普段の生活の中では小動物と会話をすることはないけれど、こういうことがあると、一方的であれ、今までとは違ったレベルで「言葉をかわす」ような気持ちにもなりますね。
一羽の雛をそっと温かな巣に戻してあげれれば。と願ってしまうのが私たちです。側溝から救われて親鳥と再会できたこと。雛鳥はほっとしたのではないでしょうか。