Goodies#227: Hemp Heartsの効果とマリファナの話

Hemp Hearts(ヘンプハーツ)って知ってますか?Hemp Seeds Shellとも言います。

Hemp Hearts というのは「マリファナ(大麻)のタネの殻」。Hemp Oil (ヘンプオイル / マリファナ・麻の油)を精製するときにはがされた「殻」の部分です。

たぶん、日本では手に入らないだろうな。ドラッグの規制、厳しいもんね。ヘンプオイルなら精製されてしまっているし、ボディーケア製品や石鹸などにも使われるので売ってるかな。

知っている人もいるかも知れないけれど、ここブリティッシュコロンビア州は「上質の大麻 / マリファナ」で有名です。BC バッド(=bud=ツボミ)と言えば、カナダの西海岸で採れる、質のよい大麻のツボミのこと。もちろん、BC州でもマリファナは、コカイン、ヘロイン、LSDなどと同じく「違法ドラッグ」の一つ。

けどね、カナダの西海岸でマリファナが合法化するのは、時間の問題じゃないかと思う。オランダの様に。私の知り合いでこの辺り出身の人達は、9割がた「一度は試したことがある」って言う。かなりカジュアルに「Smoke pot?(=マリファナ吸う?)」って聞いてみたり、どこの島でとれたものが「良い」とかいう情報を交換したり。たぶん、手に入れるのも難しくないんじゃあないかな(聞きまわったことはないけど)。日本にいた頃は、「他の違法薬物と同様、人の体をむしばむ恐ろしいモノ」というイメージしかなかったんだけど。ここに住み始めてから、マリファナのことも色々と知りました。マリファナのことを気楽に話したり、余興で楽しんでいたりする人も多く、散歩の途中でふわっとあの独特のにおいがしたりする、そういう環境にいるせいか、私自身のマリファナの捉え方もかなりリラックスした気がする。

事実、マリファナを配布(?)するオフィスもある。癌や重度のリュウマチなどの症状をもつ患者さんや、その他の理由でお医者さんからきちんとした許可をもらっている人たちは、このオフィスで「BCバッズ」を手に入れられる。これは法的にも許可されていて「メディカルマリファナ」と呼ばれてます。公式なウェブサイトもある:カナダのメディカルマリファナ

メディカルマリファナを許可されるには幾つかステージがあるらしい。MSという多発性硬化症や脊髄の病気、エイズやHIV、リュウマチによる激痛、癌の諸症状や「てんかん」やひきつけなどの症状とともに生活していかなければならない人たち、または、普通の医薬品では治療しきれない症状に苦しむ人たちには、メディカルマリファナを得る資格が与えられる。日常の生活を少しでも楽にするため、痛みを少しでも和らげるために、メディカルマリファナを吸引するそうです。タバコのように吸うこと以外にも、クッキーに混ぜたりケーキを作ったりして体内にとりいれる人もいます。

うちの相方は昔、カリフォルニア州でヒッピーをやっていたので、ドラッグといわれるものはひととおり試したようです。マリファナってタバコみたいなの?って聞くと、ぜんぜん違うとのこと。タバコのような依存性はなく、とてもリラックスできるんだって。クッキーにして食べると、体がリラックスし、吸引すると頭が(?)リラックスして、人によるとクリエイティブなアイデアが浮かんだりするらしい。確かに、BC州の「隠れマリファナ人口」は高いだろうけど、マリファナによる暴力的な事件は聞かない。

お酒やタバコが合法化されているのに、マリファナはダメという事実に反対する人たちも大勢いる。良し悪しのわからない子どもがマリファナに手を出すことには、私も強く反対します。が、飲んで暴れだしたり人に絡んだりする「アルコール」が法で認められているのに、吸って少々「レイジーな怠け者」になるマリファナが認められないのも不思議だ。とも思う。合法化して売ってしまえば、きちんと税金もかけられるし、闇市もなくなるし。とも。

…と、話がずいぶんとそれてしまったのですが。

実は、1ヶ月ほど前に、ビクトリアの中華街の細道を入ったところに「ビクトリア・シードバンク」というお店がオープンしたのです。シードバンク=大麻の種を売っているお店。すごいよね。バンクーバーの支店として開いたらしい。そんなふうに普通に種を売ってもいいのか?? …と。

興味深々の相方と私。2週間ほど前の週末に、のぞきに行ってきた。

お店は感じのいい路地を入ったところにあり、玄関でベルを鳴らすと、とても穏やかなお兄さんがドアを開けてくれました。すごく小さなお店で、観葉植物があちこちにおいてあって、種そのものは展示されてなかったよ。話を聞いてみると、普通のオーガニックの野菜やハーブの種も売っているんだって。マリファナの種は、詳しい説明付きのカタログで紹介してくれました。女性に人気のある種類(ブルーベリーって呼ばれるんだって)、クッキーやブラウニーに向いている種類、作家や作曲家などの芸術家に人気のある種類… などなど、優しい声で説明をしてくれたお兄さんでした。ふ〜〜ん。面白い。

で!

ようやく、本題の Hemp Hearts なのだー(←いったいどこまで引っ張るのやら。ごめんなさい)

帰りにお兄さんが、ちいさな袋詰めのヘンプハーツをプレゼントしてくれましたの。

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これこれ。アルバータ州でとれたものらしい。このカードの右下に「THC 0%」とある。THCというのは、マリファナの「効果」そのものの成分で、この%がゼロってことは、マリファナ特有の「ハイな効果」もゼロということです。

今日、試しにスプーンですくって食べてみた。

hemp-hearts

感想:とてもおいしい。胡麻よりも甘みがあって、種というよりも、ピーナッツなんかの味に似ていてとても食べやすい。ほんと☆

で、調べてみると、質のよいアミノ酸がぎっしり詰まったヘンプハーツには意外な効果があるらしい。

Hemp Hearts の効果・効能

  • 血圧を下げる
  • 新陳代謝率の向上
  • コレステロール値を下げる
  • 消化器官の調子を整える
  • 心臓血管の循環を促進する
  • 各臓器の機能の向上
  • 免疫力の促進
  • PMS(月経前の症状)や生理中の各症状を和らげる
  • リュウマチによる各症状を和らげる
  • 筋肉痛の回復促進
  • 乾燥肌や髪の状態を整える
  • グルテンや砂糖、乳製品やナッツやお肉に対するアレルギー反応を示す人でも心配なく摂取できるタンパク質
  • 朝、大さじ3〜4杯のヘンプハーツをとることで、砂糖や炭水化物への欲求を抑制できる(→ダイエット効果につながる)
  • 元気がでる!

んだそうです。妊娠中のお母さんたちや、ハイパーアクティブ(落ち着けない)子供たちや、気が滅入っている人にとってもポジティブな効果があるそうです。

長々と…。ドラッグと言われるマリファナと、その種の殻であるヘンプハーツ。小さなツブツブの自然な甘みを口にして、マリファナだって、ハーブの一種にすぎないんだよねぇと、考えてしまいました。