バチカンツアー・ラファエロの間とボルジアの間

旅の後半はローマ!二度目です。一度目よりももっと好きになった街。

前回は人の多さにびびってしまって近寄ることもしなかったバチカン市国。行ってきたよ〜☆

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「バチカンを見る」と言っても、どの部分をどうやって見るのか、考えるだけで気が遠くなる。バチカン美術館はたくさんの美術館の複合体。何を見たいのかはっきりしていて、美術史に詳しければ自分たちで計画して周ればいい。そうでない私たちは「どうする〜?」と唸っていた。ラッキーなことに、同時期にイタリアを旅行中の相方のお姉さんご夫婦が、私たちがローマに戻った翌日にバチカンのツアーに行くというじゃないですかっ。「一緒においでよ、ガイドさんも雇ったし、二人でも四人でも一緒だよ」と誘って下さったのー。わーい。

英語の堪能な現地の公式ガイドさんの後について、ストレスフリーで行ってきました♪

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有名なサン・ピエトロ大聖堂。ドームが薄い青い色をしていた。大聖堂はこの日のツアーに入っていなかったので、コレが一番近くで見たもの。義姉さん夫婦の組んだツアーは「ラファエロの間→ボルジアの間→システィーナ礼拝堂」の3箇所をメインに見るというもの。それでも3時間半かかったよ〜。というのも、この見学スポット#1「ラファエロの間」まで結構歩くんだけど、その順路のありとあらゆるところに美術品が散りばめられているんだもん。

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公式ガイドさんは、バチカンに入るのはフリーパスなので、列に並ぶことなくささーっと一緒に通過して中庭に。中央(↑)はピーニャ=松ぼっくり。レプリカなんだけど、本物は1〜2世紀に作られたもので噴水のモニュメントだったんだって。

↓今回のガイドさん。 ローマの公式ガイドさんって… 生きた美術史ハードドライブ、です。情報量がすごいもん。何を聞いても即答(当たり前)だし。色んなグループの引率をして、同じことを説明してきたはずなのに、それでもとっても情熱的に丁寧に説明をして下さった彼女、素敵でした。ガイドの仕事が大好きなんだって。

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↑は中庭のベンチでこれから見て回るところを説明してくれています。特に「システィーナ礼拝堂」に入ると見学者は「話してはいけない」決まりになっているんだって。人の吐く息による損害をなるべく抑えるという意味もあるようです。それで、システィーナ礼拝堂の天井画の詳しい説明、というワケ。

バチカン美術館では、写真をほとんど撮らなかった。とても気になった作品だけを少し。まったく知識のない私がランダムに惹かれたものだけですが、良かったら見てね〜。

↓「ラオコーン像」。トロイの神官ラオコーンと二人の息子が海蛇に巻きつかれているシーンなんだそうで。三人の恐怖に満ちた表情と美しい体に巻き付く蛇の様子がとても生々しくてどきっとした。その昔、浴場に飾られていたというから、重ねてどっきり。こんな苦しげな表情の彫刻のそばでは、ゆっくりお風呂に入っていられないよ。

vatican4 動物の間(?)かな? この彫刻たち、すんごい可愛らしかったよ。中でも2匹のワンコの像が愛らしかった〜。一匹が肩もみしているようなの(↓見える?)、欲しい。

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Gallery of Map と呼ばれる回廊。

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両側の壁には、イタリア半島が南北に描かれている。片方にはリグーリアの海、もう片方はアドリア海。この回廊を歩くとイタリアを縦断できるのです。

見ての通り、どちらを向いても「何かがある」美術館。何にも置かれていないのはガラス窓の上だけ。そんな感じだったよ。

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なので、途中、何度も窓の外を眺めて休憩。

あ、タペストリーがびっしりと壁にかけられている回廊もあったんだけど、中でもこの一枚は面白かった!

よく見てね。まずはタペストリーの左側からの一枚。

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テーブルが見ている私の方に突き出ているような3D効果ありでしょ?

そのまま歩いて、次はタペストリーの右側から見てみるのね。

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ほら、今度はテーブルの右端の角が私の方に突き出て見える!

上手く説明できないけど、テーブルを含めたシーンがぐぐっと私が動くのについて角度を変えている様な錯覚を起こすのです。何度も行ったり来たりしてしまった(笑)。

長い回廊を南北に端から端まで通過して、ようやく(!)目的の「ラファエロの間」の入り口へ。

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このマリア様(かなぁ?)のまとっているドレス(?と呼ぶのかなぁ)の色がきれいでした。窓の向こうを眺めている表情に、私までホッ。

ラファエロの間は東西に4つの部屋から構成されていて、それぞれにテーマがあり、それがひと続きの応接室なんだって。一つ一つの部屋の壁と天井にテーマに基づいたシーンが描かれていた。まぁ、人も多かったし、結構疲れてきた私たち。でもどうしても見たかったのがこれです。↓↓

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「署名の間」に描かれたラファエロの作品「アテネの学童」。教科書に出てきたよ! 当時、このシーンが壁に描かれたフレスコ画ってことも知らなかったっ。中央下段で肘をついて座っているのが、ミケランジェロらしいね。彼の才能と技術を賞賛したラファエロが後で描き加えたんだそうな。

ラファエロの4部屋のちょうど一階下が「ボルジアの間」。義姉さんの旦那さんの強い要望で訪れたところ。ボルジア(ローマ教皇・アレクサンデル6世)が実際に居住空間として利用していたというからびっくり。だってね、すんごいこっってりした装飾だったよー。プラスターで表面を立体的に浮き上がらせたところに着色するという技法がふんだんにとりいれられていました。ボルジア家ってスペインのバレンシア発祥で、家紋の中央に「牛」が描かれているのね。だから、どの部屋の装飾を見ても牛のモチーフがいっぱいっ!楽しかったディティールです。

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この時点でもうフラフラだったんだけど、このあと、システィーナ礼拝堂に辿り着き、蘇りました。

私たちのツアーは最終グループ(閉館間際にシスティーナ礼拝堂にたどり着くグループ)だったんだけど、これが正解だったよ。もちろん、人はたくさんいたけれど、午前や日中のごった返しとは比べ物にならないほどひっそりとしていた(←ガイドさんの話)。私たちが訪れた1ヶ月ほど前に、初めてシスティーナ礼拝堂にLEDライトが設置されたのもラッキーでした。それまでは、ミケランジェロの最後の審判や天井は日中でも薄暗く、ハッキリと見ることができなかったらしいから。言葉では表せない美しい空間で、たった一人の画家があの天井画を4年で仕上げたなんて信じられない。

ガイドさんも、「話さない」というルールがあっても、人が溢れているとそれだけざわついてしまう。人が少ない閉館間際が、システィーナ礼拝堂を肌で「感じる」ベストの時間帯よ、と言っていたヨ♪

ほーら、バチカンの記事をささっと読んでいるだけでもぐったりでしょ? でも、もし行く機会があったら、2時半〜3時頃にツアーなりを初めて5時半ころにシスティーナ礼拝堂を感じて欲しいです。

*お知らせ:写真の上でクリックすると写真が大きくなります。写真の外側でもう一度クリックすると閉じます。試してみてね☆

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