Goodies#330: 怖し懐かしの挿絵

中学と高校のときに使っていた英語の辞書。当時、まだ電子辞書なんてハイカラなものはなかったし、あったとしてもおそらく高価すぎて買えるものではなかった。

英和辞典って、中高時代の授業中は、和英辞典と仲良く重ねて、しょっちゅう「枕」にもなっておりました(←ふたつ重ねると丁度いい高さなんよね)。13歳の時から使ったのだから…ざっと10年は持ち歩いていた。日本の書籍は作りがよろしいとはいえ、乱雑な私の扱いでページも数枚はがれてきた。辞書を持ち歩くこともなくなったころ、お知り合いの方が「海外で生活をしていたら、やっぱり辞書は必要です。どうぞ使ってくださいね」と、私がそれまで使っていた研究社の英和と和英の辞書の第7版をくださった。

研究社の英和

私の古い辞書は引退し、今はこの新しいバージョンが机の上にある。

昨夜、久しぶりに英語で真剣に文章を書いていて、うぅ…と唸りながら辞書をひきだした。文章ってさ、日本語でも英語でも、「書かないと」「書けなくなる」んよね。ほんっっとうに脳みそから血が吹出しそうでした。

で、ある単語を調べるのに、ぱたんと辞書を開いたとき。

げっ。

コワイ挿絵

こ。これは。インクブスだぁー!!!”incubus”!!! こわいー!!!

怖し。懐かしのイラスト… 見たことありますかっ?

私の古い方の英和辞典にも全く同じ「インクブスの悪魔」がのっていた。ま、辞書なんて、新しいバージョンになったって、古い内容が引き続き使われるものなのでしょうから、驚くこともないんだけども。

なんでかしらないけど、古い方の辞書でも、パタンと開いたときに、インクブスのページが飛び出ることが「よく」あった。英語の時間に偶然、「インクブス」の挿絵をみつけてその意味を知ったときには、「人前で見てはいけないものを見てしまった」ような気がして、一人で慌ててしまった。だって、眠っている女性を襲う悪魔やでー。13歳の私はナイーブでした。それからしばらくは、怖い夢から目覚めるたびに、お腹の上にあの小悪魔がのっていたのじゃなかろうか、と気持ちが悪くなったりした。

今となっては… 懐かしさもありますが。

ちなみに、女性バージョン(眠っている男性を襲う女の悪魔)は「succubus」=スクブスちゃん。でさ、ウィキでこの言葉の背景にあるお話を読んだところ、インクブス君やスクブスちゃんと繰り返し性交渉を行うと(ま、眠っている間に、ということでしょうが)、「徐々に健康を損ない死に到る」んだってー。やっぱり怖いー!

ルネッサンス時代には、「インクブスは実際に女性を妊娠させうるか?」という議論が真面目に行われていたらしい(from wiki)。で、父親のわからない子供を妊娠してしまった女性は「インクブスにやられた」と言えば通用したようで、ま、都合の良い言い訳にもなっていたようです。一方で、中世の時代には「お前はスクブスだ」と言いがかりをつけられた多くの女性たちが、いわゆる「魔女狩り」同様、火あぶりの刑に処せられたのも事実です。

しっかし、インクブス君、まだ辞書の中で健在だったか。あぁー、びっくりした。

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