スウェーデンミステリーというと、世界的に(?)話題となった「スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズ」がありました。私はラーソンを読んだ勢いで「ヘニング・マンケルのワランダーシリーズ」も楽しんだ☆ たくさんのミステリー小説は知らないけれど、スウェーデンのミステリーに共通しているのは、心理的にぐぐぐっとヘビー。「えぇ〜、アレとコレの関係はどうなってんだろ?」って頭で推測するだけのミステリーではない。こう、なんていうか、気持ちがじと〜っと重くなるのです。北欧の暗い冬空のような。
で、まだ見てない人におすすめしたいのが、スウェーデンとデンマークの合作ドラマ「Bron・Broen(The Bridge )」!
全部で10エピソードなので、本当にあっという間に見終わってしまった(涙)。その毎回のエピソードの最後がクリフハンガーになっていて、「ええっ?この続きは一体どうなるのー?」ってのめり込んでいってしまう。エピソードを重ねる中で、「犯人の意図は?」「あいつが怪しい。。。」etc. と、相方と私の推測のレイヤーも厚みを増し… 終盤にさしかかると、「ええっっっ!!」と、カウチから体を乗り出してしまったわたし達。←全く説明になっていないね。
あらすじについては、とても詳しく上手に評価されているブロガーさんを見つけたので、興味のある方はコチラより→☆
Bron・Broenを見ていて、私たちが何よりも楽しんだのは、主人公の一人、スウェーデンの刑事「サガ・ノレン」のキャラクター。若くて金髪でポルシェを乗り回す女性刑事、というと、北米ドラマや映画を見慣れている人なら大体同じようなイメージを想像するんじゃないかな。スラリとしていて、シャープで、グラマラスで、セクシーで、早口で、マーシャルアーツ(柔道とか拳法とか)できちゃって、というスーパーウーマン的な女性像。
このサガは違う。最初のエピソードで「彼女、ちょっと変わってる」って思うはず。軽度の aspergar (アスパルガー症候群)なのかなって思う。普通の社交的な会話をしない(できない)。ユーモアがわからない。気のきいたことは何一つ言えない。「社会的にぎこちない」という感じ。でも、ものすごく頭はきれる。断片的な情報を素早く処理して繋がりを見付け出していく。そんな、ドライでストイックでストレートなサガと、彼女とはとても対照的な人間味のあるおじさん刑事(デンマーク)マーティンとのやりとりには、たまらなく味がある。共に事件に関わっていく中で築かれていくサガとマーティンの友情と信頼関係に、見ている私たちはずんずんと惹かれていくのです。
最後のエピソードでは泣きそうになってしまった。アメリカのテレビドラマでは、絶対にこういう終わり方はしない、という「えええっ??」だった。だから余計にリアルにも感じたのかな。ほら、アメリカものってさ、「正義は必ず必ず勝つのだ!」っていうワンパターンなストーリーが多いでしょ。
このドラマの主題歌の「Hollow Talk」by Choir of Young Believers もなかなかいいヨ♪ 冬のどんよりとした日に、温かいココアを飲みながら聴きたくなるような一曲。デンマーク、コペンハーゲンのバンドなんだって。
(↓Live version)
ちなみに。The Bridgeという名前で、このBron・Broenをリメークしたアメリカバージョンもあるヨ。私たちは見ませんが〜。サガを演じるソフィア・ヘリン、素晴らしい女優さんです。オススメの北欧ミステリードラマです☆