母のチーズスティックパン・グリッシーニ

昔々(笑)、バングラデシュに3年住んでいた。4歳から6歳まで。強烈な生活だったからか、とてもよく覚えている。首都ダッカに住んでいたけれど、不便なことばかりで母は特に大変だったみたい。モノがなくて。でも大変さの中で工夫することを学んだって言ってた。不便だったけれど時間はあったので、日本にいたら絶対に作っていなかったものを作るようになったって。それ、よくわかる。私もカナダに住んでいるから餡こを炊いたり、パンを焼いたりするようになった。ずっと日本にいたら絶対に作ろうなんて思わなかったな。母もバングラデシュに引っ越して、生まれて初めて「オーブン」なるものを目にしたらしい。

その頃母が作ってくれたものの中で、特に「ノスタルジック」に思い起こすのが「チーズスティックパン」!

チョコレートのような甘いお菓子は貴重品。たまにおばあちゃんから送られてきたグリコのポッキーなんて、暑さでドロドロにとけて全部くっついていたっけ。なので、甘いおやつは果物がメインだった。パパイヤとかマンゴやライチとか。で、ソルティーなおやつの中で断トツ一位で大人気だったのが、チーズスティックパン、というわけ。我が家ではチーズスティックって呼んでいたけど、これ、イタリアの「グリッシーニ」と同じだと思う!

先日、母にレシピを聞き、今回はサワードウ種「タバサちゃん」を使って作ってみた☆ 天然酵母を使う場合の分量はカッコの中に覚書き。

母のチーズスティックパン・グリッシーニ

  • 強力粉 250g [中種100g、粉200g]
  • チーズ 30g
  • バター 大さじ2
  • 塩 小さじ半
  • 砂糖 大さじ半
  • イースト 大さじ半 [不要]
  • ぬるま湯 150cc [100cc]

全部混ぜる。こねる。二倍に膨らむまで一次発酵。空気を抜き、小さなボールに分けて細く伸ばす(適当に)。小指の太さくらいかな。布巾を被せて20分ほど寝かせる。

180度で20分焼く。

以上っ☆

懐かしの、チーズスティックパン!!!

ポリッ。

あぁ〜、これこれ。これだ〜。懐かしい〜。

不思議。スティックをポリポリかじっていると、あのバングラデッシュの家が浮かんでくる。ダイニングルーム、格子窓から見える砂場。すぐ近くにあったオジギソウ(じゃないけど、オジギソウのように触ると葉を閉じる木)、マンゴの木、サルスベリ、ライム、鶏とアヒルの小屋。。。あー、懐かしいなー。

実は相方もこのチーズスティックをすごく気に入ってポリポリ食べるので、このあとイーストでもう一度作った。チーズと胡麻を入れ、生地をもっと小さく分けて細短くしてみた。全部で30本ほど。タバサちゃんバージョンの方はちょっぴり酸味があったけど、イーストのはさっぱりで、これもなかなかいい感じ!

余談。昨日、歯医者さんに行ってきましたっ!半年に一度のクリーニングで。

マスクをつけて予約の時間ぴったりに行き、入ったところで手の消毒。コロナ関係のこと諸々の同意書にサイン。で、フェイスシールド、ガウン、マスク、手袋をつけた衛生士のケビンさん登場。いつもと大きく違うってこともなかったけれど、エアゾールが飛び散るからという理由で、チューっと吹き出す道具を使っての口の中の洗浄はしてもらえなかった。

ケビンさんとはいつも必ず犬の話をする。ケビンさんの犬もシニア犬で、この3月に鼻の手術をしたんだって。ちょうどコロナで自宅待機中だったので、わんちゃんのケアをすることができてちょうど良かったって。このわんちゃん、関節の痛みも酷く散歩途中で歩けなくなってしまうので、最近になって乳母車を使うようになったんだって!近所の人達とそのワンコたちみんなで「パック」になって散歩に行くそうな。ケビンさんのワンちゃんは途中から乳母車に乗ることで、最後までみんなと一緒に歩けてすごくうれしそうにしてるよ、って、そんな話をするケビンさんもすごくうれしそうだった。わんこはその日、そのときを思い切り楽しんでいるよね〜って言ってた。ほんと、そのとおりだ。わたしたちもそうありたいよね、先のことを思って心配しすぎたりせずにね、ってケビンさんと笑った。やっぱりこうして実際にひとに会って、何気ない話をしたり笑顔を交換するのっていいな。と、すっかりいい気分になった。歯もきれいになったし!

ゆったりとした良い週末を〜☆