エティエンヌとドゥーイ

随分前にカナダで知り合ったSさんはアンティークコレクターだった。日本でも海外でも「ぴんっ!」ときたものを少しずつ集めていた。彼女に出会ったのはビクトリアだったので、日本に残してきたコレクションを見せてもらたことはないのだけれど、日本のアパートにも売れるほどあるよって言っていたっけ。確かに、アンティークについての知識も豊富だったし歴史にも詳しかった。その上彼女には「見る目」があった。アンティークやコレクティブルのアイテムを本気で集めている人ってそれなりの「目」を持っているよね。

そのSさんがある日、「アパートにコレクションを見に来ない?」って誘ってくれた。たくさんは置いていないけれど、お気に入りの人形はとってあるから、とのこと。わ〜い♪と喜んで見せてもらいにいったのね。

コレクションのお人形専用の部屋があって、その部屋の入り口で「ぎょっ」としたのを覚えている。一度にあんなにもたくさんの「お人形たち」を見たのは生まれて初めてだった。「もう、ずいぶん売り払っちゃったから、この子たちは本当に気に入っている子たちだけ。」ってSさん。『一体、あなたはどれだけの人形を持っていたのですか。。。』と私の頭ぐるぐる。古い西洋人形がほとんどで、日本の人形はある特定の時代(大正だったっけ?)のものが5人くらいいたかなぁ。私は霊感とかそういうのゼロなんだけど、Sさんは敏感な人で、彼女が「人形には相性があるんだよ」って言っていたのが興味深かった。嫌いな人形同士を隣り合わせに座らせておくと、翌朝全く反対の方に顔をそむけていたり、一体が肩を落として傾いてしまっていたりすることがあるんだって。だから相性のいい人形をなるべく一緒に座らせてあげるんだって。人形には魂が宿っているんだよ、ってSさん。大勢の人形たちに見つめられ、私もじわじわとそんな気がしてきたのでした。

というのが前置きで。

本題はうちのぬいぐるみの「エティエンヌ」と「ドゥーイ」。右に座っているライオンが「エティエンヌ」。左が「ドゥーイ」。ちなみに真ん中にいる「ぬりかべ」は私の。高校のときに好きになった大学生のお兄さんにもらったもの。なんでぬりかべなんだよっ、って、今は思うけれど、当時は「なんでもよかった」のでした(笑)。相方は私の「ぬりかべ」を「チクレット(←チューイングガムの名前)」と呼んでいる。ひどい。。。で、手前の小さいわんこは相方のベイビートーイ。

エティエンヌとドゥーイ

このライオンたちは、相方が20代の頃にお姉さんだか誰だかが3体の同じものを買ってきて、相方と妹さんとお姉さんの三人の元に引き取られたらしい。で、エティエンヌ(右)は相方と以来ずっと一緒に暮らしてきたのね。ドゥーイはいつからか義母さんの家に里子(?)に出されていたみたい。2年前に義母さんが亡くなったときに、家に残されていてもう少しで処分されるところだったのが「ドゥーイ」(左)。

ここで前置きの話とつながるのですが。この二匹を見ていると、ぬいぐるみにも魂というかそんなものがあるのかなぁ〜って思わずにはいられないの。相方に大切に扱われ愛されてきたエティエンヌ。↓↓

エティエンヌ

穏やかに笑ってるよね?たてがみもまだ茶色いし、健康っぽくない?

そして。義母さんの家で放ったらかしにされていたかわいそうな「ドゥーイ」↓↓

ドゥーイ

電気ショックを受けたようなたてがみと、ぎょっとして誰をも信用しないかのようなクレイジーな表情。。。

どう思います???

1人寂しい年月を過ごしてきたドゥーイだけれど、今は兄弟のエティエンヌとガムのようなチクレットぬりかべと、かわいいわんこと一緒です。あと何年かしたら少し表情が柔らかくなるかな〜。

風邪をひいて今日は休ませてもらった。生姜湯を飲もう!

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