プアール茶・読んで飲んでみる

この間「プアール茶」を追求する、というようなテーマの記事を読んだ(→原文)。「お茶通」さんたちが何故プアール茶に夢中になるのか。なんでなんで?と、読み進めていくと意外に面白かった。

上海に2年ほど住んでいた頃、日本人でも聞いたことのあるお茶はいくつか試した。緑茶、烏龍茶、茉莉花茶、白茶、プアール茶など。緑茶といってもあるお山の高いところで育つ茶葉の新芽だけを使っていた「龍井茶」とか、南の方で飲んだ白いお茶(葉っぱに産毛が生えていた)とか、青茶である烏龍茶の仲間の鉄観音茶とか。お茶の製法や歴史などを詳しく調べたらきっと面白いんだろうな。…と思いながらも、当時はただ味見をして「好きかどうか」をチェックした程度だった。

で、プアール茶はというと、苦手だった。匂いがなんていうのか、爽やかでない。良く言えば「癖がある」、本音を言うと「臭い」。ちょうど日本では「ダイエットに効くプアール茶」といって流行っていた様で、家族に買ってあげたりしたんだけど、「まずいからダイエットにも効くんじゃないの」と思っていた。

そんなプアール茶についての記事の中で、面白いなーと思ったのは、茶葉と製法について。プアール茶がプアール茶と呼ばれるためには、中国南部の雲南省に育つ「チャノキ(茶樹)」の葉っぱが使われていなければならないんだって。花と葉っぱを見てみると椿みたい(ツバキ科だそうです)。こんなにしっかりとした常緑樹の葉っぱがお茶になるのー?

画像はWikiより
画像はWikiより

一応、中国政府による製品規定もあるらしいけれど、まぁご察しの通り中国だもんで「なんちゃってプアール茶」も溢れているそうな。摘まれた葉っぱは大きなお鍋(中華鍋)で「酸化を防ぐポイントまで」ゆっくりと加熱されるんだって。加熱し過ぎると発酵の鍵になるバクテリアも殺してしまうので、この加熱具合が重要。バクテリアを上手く残すことで、緑の葉っぱが年月をかけて徐々に濃く深い色に変わっていくそうです。

程よく加熱された茶葉は、その後蒸して圧縮して様々な形の塊にされます。この方法は「明」の時代に始まったそうで、持ち運びや保存にも適していたんだって。で、この塊になったプアール茶は、実際にお湯を注いで飲む時点まで発酵をし続けるんだそうです。 生きてるんだー。

で、プアール茶には簡単に分けると3レベルあるそうよ。この記事では「Young Raw(若い生?)」「Aged Raw(お年寄り生)」と「Ripe(熟成)」といって紹介していた。味わいを吟味するなら、Aged Rawが一番奥行きが深く複雑なんだそうです。

ここまで読んで、ふと、随分前に中国人の知り合いにもらったプアール茶が眠っているのを思い出した!週末にがさごそと戸棚の奥を探して見つけたー。

プアール茶

雲南省の人からのいただきもの。「生茶」って書いてあるから「Aged Raw」なのかな。

プアール茶

雲南省、シーシュアンパンナーのものだ。ホンモノかなぁ…と疑ってしまう私。大きさは私の手のひらくらいです。

プアール茶

これがあの椿の葉っぱのようだったなんて、信じられないな。

puerh gus

G:ねぇ。なにやってんの? それ、たべれますか?

プアール茶

塊を指で摘んでばらばらにして、普通のスプーンに一杯ほど。試飲してみた。

プアール茶

最初の一杯目はお湯を入れてすぐに捨ててしまい、二杯目から。お茶の色を見てみると、やっぱり「Aged Rawの生(Sheng)」の様です。

プアール茶は、少し多めの茶葉を小さめの急須に入れ、お湯を注いで15〜60秒ほど煎じて器に注ぐんだって。そして何度も何度も(20回以上も)お湯を足して飲む、を繰り返している間にも、その風味や味わいが大きく変わるお茶なんだそうです。ほほぅ。

プアール茶

で、この小さな器で15杯くらい飲んでみた(笑)。確かに、最初の5杯目ほどは以前に感じたのと同じように「匂い」が気になった。Aged Rawの大きな特徴でもある、Woodsy で Earthy な味わいにつながる香りなんだとおもう。一番ピッタリくる表現は「山積みにした枯葉に雨が降り、分解が始まって3〜4ヶ月してひっくり返したときのあの香りと味わい(?)」。コレがどうも好きじゃないんだけど、10杯ほど飲んでいると「まろやかになってきた」。角のあるがさがさした感じの風味と香りが、まあるくなってとても飲みやすくなった。そしてあまりアツアツではなくて、少し冷めたものは美味しいなぁって感じた。

不思議。中国のお茶の話、調べるときっと面白いんだろうな。プアール茶には嬉しい効果もあるみたいよー→☆参考に

 

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Goodies#86: 生きているプアール茶

中国人の友人の一人、フランクに「普洱茶プアール茶」をいただいた。

2週間ほど前に相方が、フランクをサーモン釣りにさそって、連れて行ってあげた(そのときの記事)。そのお礼だと言ってくださった、紙に包まれた「かたまりのプアール茶」。これ、冗談抜きでかなり高級なプアール茶なのです。

プアール茶は、一時期日本でも注目されたらしい。(今でもそうですか?)中国のお茶は種類も多いし、摘み取られた茶葉の種類や地域、製造方法やお茶の年齢によって、その味わいはもとより、効果・効能も様々です。実に奥深い。ヨーロッパのワインの歴史と同じくらい、中国のお茶は語りだすと尽きないのだろう。

あ、ちなみに私は2年、中国の上海に住んでましたが、お茶情報には全然詳しくありません。あ、でも、好きなお茶は「青茶」に属する「ウーロン茶」の一種、「鉄観音茶」。うん、Wikiでお茶のことを調べだすと、かなり面白い。

本題に戻りまして。

プアール茶が流行った理由は、その効果・効能にあるらしい。

プアール茶の効果:

  • 脂肪分解作用(炭水化物の糖への分解を抑制する)
  • 血糖値を下げる
  • 消化促進
  • 二日酔いによい
  • 胃もたれによい(脂っこいものと一緒に飲もう!)
  • 血行促進
  • ダイエット効果(脂肪の燃焼のため)

確かに、効果は見逃せないかも。「味は?」というと、結構くせがあると思う。「カビ茶」と言われるだけあって「臭い」と感じるひともいる。飲み慣れると、脂っこい食事の後に「飲みたい!」と思うようになるかな。あ、それから、カフェインも入ってるだろうけど、プアール茶はあまり影響しないので、夜に飲んでもちゃんと眠れます(私はカフェインに対して、余り敏感ではないのですが)。

プアール茶には大きく分けて2種類ある。「熟茶」と「生茶」。プアール茶の製法過程では、実際に茶葉を「醗酵」させるのですが、「熟茶」の方は「こうじカビ」を使って醗酵させ、「生茶」の方は「時間をかけて自然に」醗酵させる。「熟茶」は短期間に醗酵を済ませることができ、製造の終わりには酵素が死んでしまう。普通、缶に入っていて、ぱらぱらとした茶葉のプアール茶は、この「熟茶」と言われるほうです。それが、手に入れやすい方のプアール茶。

プアール茶

これも、中国人のお友達から頂いたものです。「熟茶」のプアール茶。

一方、「生茶」の方は、自然の力(天日)と月日でもって、ゆっくりと醗酵させるので「酵素」が生きつづける。その過程では「香り」が変化し続け、途中、ウーロン茶の様なにおいがしたりするらしい。最終的に「熟茶」に近い香りになるそうです。「生茶」には数十年ものもあり、希少価値の高いビンテージ品となる。味も、熟茶に比べてずっとまろやかです。一度、別の中国人のお友達のお宅で、生茶のプアール茶を入れて頂いたことがありますが、プアール茶だとは気づかなかった。味も香りも、熟茶よりもずっと「クリーンで柔らかい」感じがした。

そしてこれが、フランクから頂いた「生きているプアール茶」。

生のプアール茶

赤字で書かれているのが、正式なお茶番号。シリアルナンバーの様なもの。

手のひらサイズのかたまりで、本当にかちこちに硬いので、布に包んでとんかち(かなづち)でたたいて砕くそうです。

フランクの家族は、娘さんの教育のため、すべてを捨ててカナダに引っ越してきた。中国の雲南省出身(ここがプアール茶の本場です)で、カナダに来る前は「お茶の鑑定士」をされていたのです。かっこえー。それで、今でも中国に帰国すると、しっかりとした「お茶のコネ」があり、こういう非常に高価で手に入れにくい「生きたプアール茶」にもアクセスできるそうです。

こんなすばらしいお茶をもらってしまって、どうしましょう。手をつけられそうにありません。

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