家族ってありがたい。

そろそろ一時帰国2023をラップアップしなきゃ。

今回も、帰国の一番の目的は家族との時間。家族みんなの顔を見て、一緒にご飯を食べて笑えたことがなによりだった。

This visit meant a lot to me.

しみじみと感じたのは、父と母が歳をとったなぁということ。

そりゃ、5年も経てば色々と変化があって当たり前。スクリーン越しには顔を見ていたし声も聞いていたけれど、実際に会って「見た」のは違っていた。Not the same.

父は書を書いたり絵を描いたりする。すごく早寝早起き。

幸い、ふたりとも足腰はしっかりしている。父は畑に通って体を動かしているし、母はほぼ毎日近くのジムに通ってリトモス(?)というかなり難しい動きのエアロを楽しんでいる。どんな動きなのかを見せてもらったけれど、あれは覚えるだけでも至難の業。わたしには無理やわ。。。「これを覚えて動けるうちは参加させてもらおうと思うねん。できへんようになったら迷惑やしな。」って母が言っていた。

私の滞在中、ずっと台所に立ってたんじゃないかな。ありがとう。

年齢の割にはテキパキ動けている。母の方は物覚えもいいしまだまだ計算も速い(私よりも速い。。。)。父は忘れっぽいこともあるらしいけど、まぁ、それは年相応。

2週間一緒に過ごしていると、「あぁ、歳をとったなぁ」って感じることがあって、少し寂しくなった。母は耳が遠くなっていて(これはコロナのワクチン2度目か3度目のあとに突然おきたって言ってた)、ストレスを感じていた。一緒にいる父にとってもストレスだ。テレビの音量がとても大きくてびっくりした。父は膝がずいぶん外側に開いてしまったように見えた。よくある「がに股歩き」だ。で、ふたりとも、一回りほど小さくなったように見えた。

BBQ。男性陣の火起こし。

父と母の年齢になると「成長した」とは言わないのだろう。「熟した」? 「ひとが歳を重ねた」ということを目で見て実感するのって、赤ちゃんから17,18歳くらいまでと、70歳を超えてから、なのだなぁって、姪っ子甥っ子と両親を見て思った。その間の年齢では、あまり変化を感じない。実際に、一時帰国中に昔の友だちとの「懐かしい再会」があったけれど、内にも外にも大きな変化を感じなかった。

姪っ子と甥っ子が大きくなった。背も伸びた!

5年会っていなかった間に、甥っ子は高校生になっていて姪っ子は大学生活を楽しんでいた。ティーンの二人が本当にかわいらしかった。12年ほど前の帰国のときに私が録画してYoutubeにUPしたお宝動画(→コレ☆コレ★)をみんなで見た。か、な、り、ウケた。これは結婚式で流そうなっって。

妹二人が実家の近くに住んでいるので、週末に実家の小さな小さな庭でBBQをした。それぞれみんな忙しい中、都合を合わせてくれてね〜。前夜はしとしとと雨が降ったけれど、この日は暑いほどの良いお天気!

こうしてみんなが集まってうちわネタで盛り上がり、ワンコ2匹が足元でわちゃわちゃとし、お腹もいっぱい!今まで、誰かの誕生日やお正月などに集まっているのをFacetimeなどのスクリーン越しには見てきた。やっと自分も参加できたことが嬉しかった☆

ゴンタとふく。実家でみんなが集まるときには、ワンズももちろん一緒。家の中は足跡だらけ。二匹は弟と姉で、遊び方も柴犬独特な様子でね〜。いやぁ。。。可愛かった♡

良いことばかりの家族ではないYo。あれやこれや、問題があったりもする。でも、こうやって集まって、一緒に「美味しいな〜」ってご飯を食べることができて笑いあえることに感謝です。

みんな、健康に、成長し熟していってほしい。

直島:その三。海苔のはなし。

直島、最後の記録。

Ckに教えてもらった「海苔のはなし」を聞いてっ。

わたし、「海苔を育てる」その工程に心から感動してしまった。大きな海の一角で、海苔を育てるという作業が実際にどんなものなのか、Ckのはなしはとっても興味深かった。家に帰って家族のみんなに、まるで自分が海苔を育てているかのように興奮気味に話してしまったほど。笑。

私がぼんやりと浮かべていた「海苔の養殖」は:海の底にたくさん生えている海藻を集めてきて、港で選別などをして、撹拌みたいなことをして、平べったくして広げて干すのかなー、だった。

全然違ってた。笑。

間違って覚えているかもしれないけれど。

フェリーから直島が見え始めたときに、Ckが「あのブイ、あそこでも海苔を育てんねん。毎年抽選(くじびき?)でどの場所で育てるのかが決まるねん。」って教えてくれた。毎年同じ場所で育てるわけじゃないんやね。ほほぅ。

海苔を育てる作業は、海の水温がある程度下がってから始まる。

まずは、海苔の「種」がたくさんついた網があるんだって。これは「種」を網につける専門の業者さんがいるらしい。その網をブイのところに手作業で一枚ずつ広げていく。これが1200枚ある。千二百枚!!どんなに機会化が進んでも、AIやらChatGPTが世間を騒がしても、海苔の種付き網を広げていく作業は人の手でないとできんのよ。

そして種が発芽する。海苔ベイビーが生まれる☆ 網の縄(?ひも)にしっかりと根を張り、海苔ベイビーが成長し始めるんだって♪ 実は先週、ラインでCkが海苔ベイビーたちを回収してるでーって教えてくれた。

そう、海苔ベイビーが少し成長し始めた頃に、この1200枚の網を回収する。↓↓先日送ってもらった写真!

手前の洗濯機みたいなのが脱水機かな。ピンクの作業着の方はCkの義母さま!現役でバリバリ働いてられるっ!

ちょっと前に広げたばっかりやんっ!!!っていう1200枚を回収して(いやや〜!)、脱水機にかけ、5枚ずつ重ね、冷凍室にいれ、水温がもっと下がるのを待つんだって。

これもついこの間送ってもらった海苔ベイビーの写真!こんなのなんやねー☆感動☆

網の紐みたいなのにぷちぷちくっついているのが発芽した海苔ベイビーたち♡ 種のついた網は、元々は真っ白なんだそうな。すごい。びっしりとベイビーたち発芽してる。

海苔ベイビーはタフなのです。脱水機にかけられ、冷凍室にいれられても海苔は死なない。でも、畑で野菜を育てるのと同じように、海苔の網にも海苔ベイビー以外の「雑草」のようなものがくっつくので、そういったモノたちは冷凍室で死んじゃうんだって。

水温がもっと下がった頃、、、冷凍室から網を出してきて、また海に広げるんだそうです。1200枚。

冷凍から目覚めた海苔ベイビーたちは、びろびろとわかめのように広がって伸びて成長するんだって〜。根っこは網にしっかりとしっかりとくっついているから、伸びた部分を刈り取って集め、また海苔が伸びてくる、そうです。

すごい。

真冬の一番寒い時期に、収穫が始まる。Ckの話では、私が聞き間違っていないと、一旦収穫作業が始まると、シフト交代しながら夜通し作業を続けるんだって。日中、収穫した海苔たちが、工場に運ばれ、わかめみたいなのが「海苔」になるまでの一連の作業が、人の手と専用の機会で休みなく行われるそうな。

こんなとんでもない寒さの工場で、夜通し海苔の作業。赤子を連れて。そんな時期もあった。たまらんよね。。。

言葉では表現しきれない、寒さと厳しさがあると思う。何年経っても、きっと毎年、寒いし厳しいんだと思う。

そんな海苔のはなしを聞きながら、完全防備で海に出ていくCkのすがたを思い浮かべながら、のどかな直島の普通の道を歩いた。時間が限られていたのでほんの少しだったけれど、Ckの子どもたちもこんなところを駆け回って育ったんだなーって。

昭和が残っている。島の中の方にあったコープ。潮風を直接受けることもないから、、、昭和のまま長生きできるかな。

十分に美術館巡りをさせてもらい、島をぐるりと見せてもらい、最後にCkのお家でBBQまでしてもらい♡

旦那さんが潜ってとってきたっていう「サザエ」と「タコ」。

サザエの壺焼きやでー!なんという贅沢! ↓↓のタコさんは「お持ち帰り」させてもらいましたー♡

たくさんお土産にもらったサザエは数日後、我が家の小さな庭でのBBQでリピート壺焼きにっ!うちの父がめちゃくちゃ喜んでいた。うふふ♡ もちろん、Ckのとこの海苔もいただきましたっ!食べるたびに色々と思い出す。

この青い空と、緑と海。凍える季節に海苔の世話をする暮らし。タフでがっしりと網に根を張って成長する海苔ベイビー。Ckの変わらない笑顔と、弱音さえも吐くことがなかった芯の強さ。色々と重なった。

Ckも海苔だ(←〆がコレかい)

大好きな、大切な、AちゃんとCkとこうして再会できたこと、今振り返ってもやっぱりどこか夢のよう。この10月は再会の月だったなー。

ありがとー!!!

直島での再会:その二。

Ckに「直島で何かしたいことなどリクエストある?」って聞かれたときに、もしみんなが良ければ美術館に行きたい、と頼んだ。

限られた時間の中、3つの美術館と1つのギャラリーを巡ってもらえた♡

美術館巡りって、たくさん詰め込むと最後の方は「飽和状態」になってしまって、何を見ても「ふーーーん」っていう反応になる(私はね)。この4つは丁度よい量だったと思う。それぞれが個性的だったし、沢山の作品が詰め込まれているわけでもない。

フェリーで直島について最初に連れて行ってもらったのが、地中美術館。ずっと訪れてみたかった。その名の通り建物の大半が地面の「中」に建設されているという安藤忠雄さんの設計・作品。

最初に訪れたから、という理由だけではない。見て回った中で、この地中美術館が一番好きだった。

むき出しのコンクリートの建物なのに、なぜか「つめたさ」を感じなかったのがとても不思議だった。Ckがいてくれたので、ところどころで建物や展示されているアートのことを教えてくれて、それもとてもありがたかった☆ はっと気付かされたことのひとつは、「この美術館は地面の下にあるけれど、全部自然光で照らされているねん。だから天気によって作品の見え方も変わるねん。」っていうこと。本当に「電気」がなかった。だから、コンクリートがあんなにも柔らかく感じたのかもしれない。

地中美術館では写真撮影禁止。それはある意味、嬉しいことです(といっても、どこかの国のひとたちは写真撮ってたけど)。スマホをしまい、みんながただ作品を鑑賞し、作品と向かい合うときをただ体験するということ。

本当に久しぶりに、鳥肌が立つような感動をした。

一番最初の部屋のモネの「睡蓮」五点。真っ白な部屋で自然光に照らされたモネの作品には息を飲んだ。表現に困るほどの美しさで、こんなに美しいものを見たのは初めてかもしれない、って思った。もう一度行けるなら、雨の日に見てみたい。

それから、この地中美術館の中でもう一つ「すごい、なんなんだこれは!」と感動したのが、ジェームス・タレルの「アフラム、ペール・ブルー」という作品。光を操るアーティストなんだそうで、初めて聞いた名前で初めて見た作品。今まで、こういう「光」とか「映像」のアート作品に対する私の反応は、一様に「ふ〜〜〜〜ん。」だった。でもタレルのこの青い空間は、、、不思議すぎた。人数制限されて四角い箱のような部屋にはいるんだけど、その部屋全体が光に包まれ、目の前の青い光が少しずつ変わっていく。ただそれを見つめているだけで、海の底にいるような、宙に浮かんでしまったような、もっというと、お母さんのお腹の中にいるような(知らんけど)、ふわぁ〜んとした心地よさを感じた。ずっとずっとそこに立っていられそうな。あれはすごかった。

地中美術館のあと「ウーリーファン」という韓国人で在日のアーティスト?の美術館にGo! この建物も安藤さんのもの。

正直な印象:ウーさんの作品は「ふーーん。」だった。笑。

ミニマリストというのでしょうか。ものすごい分厚い鉄板のひとつの角だけが微妙に「沿って」いたり(←これが作品)、セメント(かな?)が固まる前に指で「ぴっ」ってひっかいたもの、とか、大きな真っ白のキャンバスに太い筆でシャッシャッって筆跡がいくつか残されたもの、とか。ひと通り見た後に、Aちゃんと顔を見合わせ「これ、私にもできるよな」「せやせや、できるで。で、こういう素晴らしい空間に飾ってもらったら、スペシャルに見えるんやって。そういうもんや。」と、失礼なことを言って笑った。

ウーリーファンさんのアートよりも、夢中になっているのは。

しゃーーー!っと羽を上げてたカマキリ。カマキリ見たの、すんごい久しぶりで。テンション上がりました。

直島の草間彌生のアートというと、かぼちゃだけではなかったYo!

去年できたというヴァレーギャラリーにも連れて行ってもらった。ステンレスボールがたっくさん。ナルシスの庭(?だったかな)の池に浮かべられたものは、風でゆっくりとあちらこちらに移動して、時折、からんころんと音をたてていた。

このヴァレー(Vally、谷間)は「良い気」が存在するらしいよ、ってCkが教えてくれた。

月夜の夜、このボールたちは月の光を反射して明るくなるのかな。

この小さなギャラリーは楽しかった。無造作に置かれているようで、きちんと決められた位置にたくさんのボールがあった。

空間が有機的に見えてくる。

↓↓ この部屋に詰め込まれているの。ぶつぶつ系が苦手な人は「ひく」と思う。私も「はすの実」とか苦手なので、ちょっとだけ「ひぃっ」としてしまった。

初夏のような暑さの中、なんとかバスにも乗れて最後に向かったのは「ベネッセハウス」!

ここは色んな(コンテンポラリー?の)アーティストたちの作品が展示されていて、中にはとてもユーモラスなものやメッセージ性の高いものがあり楽しかった☆

中でもこれ! これ、最初は「世界の国旗を並べているだけだな」って思った。

で、Ckが説明してくれて「これ、アリの作品やで。国旗が全部チューブで繋がってて、アリが歩いて線ができてるねん。だから、国旗にはない色の砂が混じってたりするやろ?」って。

コンセプトがおもろーい! アリの通路がいっぱいの国旗もあれば、片隅だけちょこっと線がはいってるのもあって。不思議で面白かった。

あとで、全部の美術館を見終わった後に、「ぜーんぶ見た中で、どれが一番心に残ってる?」ってAちゃんに聞いた。

「わたしはアリやな。あれが面白かったわー!」って言ってた。

私は地中美術館のモネの睡蓮かな。感覚が吹っ飛んで、ちょっと泣きそうになったし(恥ずかしかったから言えへんかったけどっ。笑)

三人で大きな石の上に寝そべって空を見上げた。この石も作品だった。
こうして、25年以上のブランクの後、三人がこの場所に一緒にいて空を見上げていることの奇跡。ありがたい。

Ckっ、直島美術館巡り、どうもありがとう!!感動したー!!