スティーブさんのてづくりの車

週末のお昼、ピンポーンとドアベルがなった。ドアを開けると、なが~~~~いこと音沙汰もなかった相方の古いお友達のスティーブさん。「スティーブ!元気?元気そうだけど、最近どうしてたのー? 入って、入って、お茶でも飲む?」と聞くと、「いやいや、今日はちょっと見せたいものがあって立ち寄っただけだから。」って。

Sさん:車だよ。僕がつくった車を見てもらおうと思ってさ。

You built a Car? 車って、人が乗って運転できる車???

相方:それ以外にどんな車があるんだよ。わははっ。

私(頭の中で):おもちゃの車とかあるやん。ふんっ。

ドアを開けて。私の目に飛び込んできたのは、この車!

めっちゃかっこいいーーーー!!!!

たまげてしまいました。「人が乗れる車を作った」っていうのは念頭にあったものの、私が想像したのはせいぜいトヨタのカローラみたいなありきたりなボディーのものだった。古い中古車を「改造して」また走れるようにしたんだろうなって思ったの。

違うのよ。スティーブさんの作ったこの車は、なにもないところから生まれたのです。デザインをして、全てのパーツをかき集めて、組み立てて、調整して… ボディの形も2度、3度大きく変えたんだって。そうして変えるたびに、他の場所の微調整は必須だし。作り始めてから一般道路を走れるようになるまで13年かかったんだってー。すごいよねっ。

このライトはどこかで見つけたインダストリアルライト。グリッドもスプリングもかっこいい。正面のライトの上についている部分(なんていうの?ほら、よく、ジャガーだったらジャガーの形のクロームがついてるでしょ?あれ。)見えますか? これね、スティーブが怪我をして腰を傷めた時に、一時的に腰の関節として使われたモノなんだってー(笑)。

むき出しのエンジンパイプ(?)やワイヤーも手作り感たっぷりで良い!好き好き〜。

運転席の後ろにストラップで留めてあるのが「ガソリン」タンク。ちなみに、この運転席(+助手席)は道端に「Free!!」って書いた札と一緒に捨ててあったのをもらったんだって。それがぴったりサイズだったので感激したとか。

ボディのメタルは、まだ淵が切りっぱなしなので、車に乗り込むのに手足を切ったりしないようにスチロールの筒状のカバーがしてあった。こういうディティールはまだまだこれから仕上げていかないといけないって言ってたよ。

ダッシュボードにはリサイクルのマホガニーを使ったらしいです。おしゃれ~。ハンドルもリサイクルで拾ったもの。運転席、助手席の前のグラスはね、「シャワーのドア」を切って加工したんだってー。

スティーブさんは木工大工さんなんだけど、その前はブラックスミス(鍛冶屋)だったからこういうクロームや鉄の部品も加工できちゃうのです。

自分の手でものを生み出せるひと、かっこいいなぁ。

こうして私たちがあれこれ話しているあいだも、通りすがりのひとたちが車を止めてチェックしたり、「Nice Car!!」ってサムズアップ👍する人もいたよ。車好きのひとは「一体どこの車、何のモデル?」って思うんだよねー。さすがに、時速50km以上出して走ったりはしないって言っていた。とにかく、自分で作った「車」にのって、普通道路を走るっていうことがすごいよなぁ〜って、私は感心しっぱなし。

バイクのハーレーダビッドソンのシグニチャーのぶるんぶるんぶるんっ!っていうようなエンジン音を誇らしげにたて、さっそうと走り去っていったのでした。かっこいい〜! 今度、のせてね、スティーブさんっ。ヘルメットかぶるから〜。

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