救急救命士の夜【夢】

久々に(?かな?)。夢の話。

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救急救命士(パラメディック)の私は、その日は夜勤で病院で待機していた。『今夜は比較的ひっそりとしているな』と、ぼんやりと思ったその時、緊急連絡のランプが光った。同じシフトの同僚と救急搬入口の方へ急ぐ。

「次の患者は?」と同僚に聞く。

「男性。24歳。交通事故だってさ。ひどい事故だったみたいだよ。」と答える彼。

救急車が到着し、ドアが開く。患者が降ろされてくるこの数分は、いつも少し気が張る。何年同じことを繰り返しても、この瞬間は心拍数が上がる。

担架で降ろされた患者に駆けつけた。

その患者はペパロニ・ピザだった。

トッピングであったはずのペパロニサラミは、ピザ生地から全てずり落ちていた。

ペパロニのなくなった部分のピザ生地は、うすく広がったトマトソースの色とぬるりとした少し柔らかい質感のせいで、妙に生々しく痛々しくもあった。

ペパロニサラミをのせてあげたら痛みはとれるだろうか。どうだろう。

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